日本歯科評論3月号
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甲こう田だ和かず行ゆき表₅ 第二大臼歯₁歯の欠損補綴が有効と考える場面甲田歯科医院〒105-0004 東京都港区新橋6-12-5 TRCビル1F日本歯科評論(通刊第965号) 61 それでは,ここから比較的長期にわたって経過観察した症例を通して,自家歯牙移植の予後を左右する因子について考察してみたい.問題点を絞りやすくするため,清掃がしにくく,咬合干渉が起こりやすい第二大臼歯■歯の欠損補綴を考えてみる.この欠損を処置すべきか,無補綴でよいのかは議論の分かれるところであるが,対合歯が存在すれば筆者は処置すべきと考えている.その理由の主な事項を表5に示す. 提示する症例は■名の患者による■症例で,因子の偏りを少なくするため,男性■症例・女性■症例,上顎■症例・下顎■症例とし,各々の症例についてはできるかぎり客観的に評価できるように術前,術中,術後の診査項目や採取資料に配慮した.前半の■症例はすべて15年以上の症例で,後半(次号)にその経過観察からフィードバックした経験を踏まえて比較的近年に施術した少しアドバンス的な■症例を報告する.①第一大臼歯および残存歯の負担軽減・保護②対合挺出歯(加圧因子)との支持獲得③偏咀嚼傾向の改善④垂直破折歯根・難治性歯周病歯根・重度う蝕歯などの代用⑤咬合接触増加による咬合力の分散⑥欠損顎堤の廃用性萎縮の防止Ⅵ.長期経過症例からの考察長期経過症例から考える自家歯牙移植の要点  ――自家歯牙移植を成功に導くポイント②

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