日本歯科評論12月号
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い.低侵襲な外科処置は患者の負担軽減に,また術者にとっても創の初期閉鎖の獲得による再生療法の成功につながり,両者が恩恵に与れると考えられる.%100 SPPF1999 歯周組織再生療法は,1980年代からGTR法や骨補塡材を使用した術式が提唱されてきた.さらに1990年代前半までは,歯肉弁を大きく展開するextented flapが主流であったが,創の初期閉鎖の 獲得が困難で審美的要求に応えられない症例が生じていた.その後,創の初期閉鎖の獲得にさまざまなフラップデザインが考察されてきた.1994年に歯 間乳頭保存術としてmodified papilla preservation technique(MPPT)■),1995年にsimplified papilla preservation flap(SPPF)■)が提唱され,歯間乳頭の初期閉鎖率の向上に成功し,さらに2001年以降,マイクロスコープを使用した低侵襲な術式によりさらに初期閉鎖率は上がっている.近年では限局した骨欠損部位に対してミニマムなフラップデザインでアプローチし,さらに歯間乳頭の初期閉鎖を獲得するように変化してきている(図₁). 現代において歯周組織再生療法を必要とする患者さんは高齢者が多くを占めると考えてもおかしくな CortelliniとTonettiは,2007年に低侵襲な歯周組織再生療法の術式として創傷治癒における血餅の安定を重視し,血餅保護のための初期閉鎖を獲得するminimally invasive surgical technique(MIST)をよしもとたつやひ吉本達也口琢善0ぐちたくよし755025Accessflap19930%図₁ 術式ごとの歯間乳頭の創の初期閉鎖率(■週後,文献■)より).MPPT1994Microsurgery 200192.3%95.0%97.8%73%67%MIST2007M-MIST200946 THE NIPPON Dental Review Vol.82 No.12(2022-12)はじめにMISTとは低侵襲の歯周組織再生療法による対応①M-MISTとEPPT──modifiedminimallyinvasivesurgicaltechnique& entirepapillapreservationtechnique── 樋

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