日本歯科評論10月号
8/9

横よこ田た 要かなめ 根尖性歯周炎の原因が細菌由来であることを考えれば,根管治療を行ううえで臨床家が念頭に置くポイントとしては,いかにして細菌を減少させて,その状態を維持するかということに尽きる(図1).大別すると,細菌感染をコントロールするフェイズ■(無菌環境下での治療・機械的拡大・根管洗浄・貼薬)と,根管充塡/歯冠側からの細菌の漏洩を防ぐためのフェイズ■に分けられる. 根管内の細菌が臨床的に可能な限り除去できれば,根管充塡へと移行する.根管充塡の目的として,以下の■つが挙げられる.① コロナルリーケージを止める.根尖周囲組織からの滲出液/細菌の産生物の流入の防止.② 残存した細菌をentomb(埋葬)する.図1 根管治療の実際の流れ.赤枠内の過程が細菌を減らす,緑枠内の過程は細菌の侵入を防ぐ.診査・診断無菌的処置環境下での根管治療機械的拡大根管貼薬根管充塡・支台築造歯冠修復化学的洗浄フェイズ₁フェイズ₂日本歯科評論(通刊第960号) 103YOKOTA DENTAL OFFICE〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-3-1 大阪駅前第1ビル2FプレミックスタイプMTA Bio-C-Sealerの基礎と臨床臨床的な細菌学的ゴール根管充塡の目的と充塡方法の変遷細菌感染のコントロール充塡・歯冠側からの漏洩防止── Bio-C Sealerを用いた根管充塡 ──操作性に優れるプレミックスタイプの根管充塡用シーラーについて

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る