ブックタイトルapollonia201805

ページ
12/32

このページは apollonia201805 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

apollonia201805

030 2018.05 欠損歯列に対する補綴治療に関しては、その時点では最善を尽くしたつもりでも、経過を注意深く検証していくとさまざまな改善点が見えてきます。患者さんの多様な個体差を考慮した治療計画と予後の評価について、共に考えるため症例を供覧します。2005年、新潟大学歯学部卒業。07年、同大学臨床研修修了。古屋歯科クリニック勤務。大森奈保子東京都・古屋歯科クリニック1980年、東京歯科大学卒業。同大学大学院修了(歯科補綴学)。同大学助手。安田火災歯科診療所に勤務の後、世田谷区で開業。古屋元之東京都・古屋歯科クリニック院長歯の再植① 一般には、保存不可能と考えられる歯でも、再植によって保存できることがあります。すぐに抜歯という選択をするのではなく、できるだけ歯を守ることが大切です。ただし再植は、抜歯→補綴といった術式よりも、予後を予測するのは難しいため、患者さんの同意を得ておくことが必要です。個体差に配慮した補綴治療の経過3● 2010年6月初診、66歳の男性 ブリッジの支台歯である8 に、デンタルX線写真から歯肉縁下のカリエスを認めた( 1・赤矢印)。 矯正的梃出を行いにくい位置であり、歯肉、歯槽骨を削って歯肉縁上の歯質を確保する手術も困難。そこで歯の再植を行い、6 と連結固定すれば機能すると考えた。もう一度、固定性のブリッジにもできるが、清掃性を配慮して可撤性のブリッジ(コーヌス義歯)とした( 2 ~ 4 )。6年経過するも、特に問題を認めない( 5 )。症例1 歯肉縁下カリエス①