ブックタイトルapollonia_201804
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2018.04 085「平均寿命」と「健康寿命」の差が世界的な問題に―FDIは、2015年11月~ 18 年12月までジーシーとパートナーシップを組み、高齢者の口腔保健タスクチーム(Oral Health forAging Population Task Team)を設置。健康寿命延伸のための口腔保健の役割を検討しています。 現在、どの国でも高齢化が懸念材料になりつつあります。歯科が健康長寿にどのように貢献できるのか、タスクチームを率いる深井先生とともに考えていきたいと思います。よろしくお願いします。安田 まず、タスクチームの活動の経緯を教えてください。深井 2015年3月、日歯などの主催で「世界会議2015─ 健康寿命延伸のための歯科医療・口腔保健」が開催されました。その議論のまとめとして東京宣言を発出。さらに、歯科医療・口腔保健と健康長寿との関連を示す、これまでの科学的根拠などを整理した「健康長寿社会に寄与する歯科医療・口腔保健のエビデンス2015」(日歯発行、深井穫博編集委員長)を発表しました。これらはいずれも、日歯と、共催団体となった世界保健機関(WHO)のホームページで公開されています。 東京宣言を受けて、高齢者における歯科医療・口腔保健の議論を継続すべく、FDIがジーシーとパートナーシップを締結しました。日本、フランス、ドイツ、アメリカから委員を選出するとともに、アジア、アフリカ諸国の歯科関係者からも話題を提供されています。シンポジウムを開催して議論を深め、2019年3月には提言をまとめる予定です。安田 先進国だけでなく、途上国でも平均寿命が伸びているんですね。「健康寿命の延伸」をゴールに掲げたのは興味深いと思います。 保健医療の体制が整備されている先進国では、今後、生まれてくる子どもの半分ほどが東京宣言(抜粋)① 健康寿命の延伸に寄与する歯科医療・口腔保健のエビデンスの蓄積と、それに基づく健康政策を推進する② 歯科保健医療と地域保健活動の成果を検証し、その情報を各国が共有する③ 生涯にわたる歯・口腔の健康の維持は、個人のQOLの向上とNCDsの予防および重症化予防のための基本的要素であり、健康寿命の延伸に寄与する④ 超高齢社会において、各ライフステージで適切な歯科医療が提供され、国家レベルで口腔保健の実践に取り組むための基本的役割をすべての地域歯科医療機関が担う⑤ 口腔疾患とNCDsの共通リスクを認識し、口腔疾患の予防と歯の喪失防止、口腔機能の維持、回復を図るための政策をライフコースアプローチとして推進する⑥ NCDsの予防および高齢期における口腔機能低下の予防に寄与し、人々の生活を支えるために、歯科のみならず多職種連携で対応できる環境づくりを推進する