ブックタイトルapollonia_201804
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2018.04 027「上顎大臼歯の支台歯形成が苦手です」(中)今月のお題※口腔内写真は全て『デンタルアイS』で撮影。撮影後に反転やトリミングはしていない大臼歯の隣接面形成の難しさ 今回のテーマは、支台歯形成で問題になる隣在歯の損傷の対策についてです。 上顎大臼歯隣接面の軸面の形成で、バーの角度を思い通りにすることは、熟練した歯科医師にとっても難しい技術です。バーを倒しすぎれば(テーパーが大きすぎれば)、補綴物の維持力が低下し、脱落しやすくなります。また、生活歯では露髄の危険も出てきます。そのため、隣在歯に接しないようにしながら、バーを起こす必要があるわけです。しかし、右の写真から分かるように、そのような角度で形成するには、針の穴に糸を通すような微妙なハンドピースのコントロールが求められます。 一般に大臼歯の隣接面は直視できないため、タービンのバーで隣在歯のコンタクト部分を傷つけてしまうことがあります。隣在歯のエナメル質を傷つけた場合には新たにう蝕を発生させるリスクがあり、無視できない問題です。 直視で形成する場合とは違い、モニター診療では隣接面を咬合面方向や頬側方向(真横)から見ることができるため、かなり有利な条件で形成できます。それでも、ハンドピースの微妙なコントロールが要求される隣接面の形成では、誤って隣在歯にバーが触れてしまうことがあります。●左上6番の遠心面の形成のイメージ バーを隣在歯である7番に近い位置で回転させるので、誤って7番を傷つけやすい。隣在歯保護の対策 支台歯形成における隣在歯の保護について、私は以下のような対策を取っています。1隣在歯をマトリックスバンドで保護 私は隣在歯に金属製マトリックスバンドを巻いて形成するようにしています。これでかなり安心して隣接面の形成ができるようになりました。 ただし、それだけで大丈夫というわけではありません。傷つき、破れてしまったバンドを使い続けるとやはり危険です。そのため、時々リテーナーを外してバンドの状態を確認し、必要があればいつでも交換するようにします。