ブックタイトルapollonia201802

ページ
9/36

このページは apollonia201802 の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

apollonia201802

2018.02 019の診療でも苦労する点ではないでしょうか。 今回は、従来のコンポジットレジンでは形態修復が困難だった症例を取り上げます。『ボンドフィルSB プラス』を使って、臨床の幅を広げてみましょう。Blackの分類 「Blackの分類」は、歯質に対する接着という概念のない時代の修復窩洞の分類ですが、現在でも保存歯科の領域で使用されています。当時は、カリエスの除去後に修復材料を機械的に保持し、二次う蝕を避けるために必要な方法でした。現在はMIという概念が浸透し、この分類通りに形成しなくても、接着性の歯科材料を用いれば、容易に歯牙の形態を回復することができます。 このBlackの分類の中で、Ⅳ級窩洞の修復の困難さは群を抜いています。『ボンドフィルSB プラス』の物性 『ボンドフィルSB プラス』の特長としては、スーパーボンドで世界的に実証された接着性が第一に挙げられます。重合開始剤「TBB」により、空気や水分があっても高い接着性と辺縁封鎖性を発揮します。また、隣接面などの光照射が届きにくい部位でも、化学重合により確実に硬化する充填材料です。 Ⅳ級窩洞のような複雑な応力の加わる部位の症例においても、優れた接着性と適度な柔軟性により、レジンの脱離や破折を防ぐことができます。 また、ナノテクノロジーを取り入れた反応性有機質複合フィラー(TMPTフィラー)を配合することで、アクリルレジンのしなやかな特性を失うことなく、適度な耐磨耗性を実現Blackの分類■Ⅰ級窩洞:Class Ⅰcavity 小窩裂溝に位置する窩洞で、臼歯の咬合面、臼歯の頬側および舌側における咬合面3分の2、そして前歯舌面の小窩に限局する窩洞。■Ⅱ級窩洞:Class Ⅱcavity 臼歯(小臼歯、大臼歯)の隣接面における窩洞。■Ⅲ級窩洞:Class Ⅲcavity 前歯の隣接面窩洞で切端隅角を含まない窩洞。■Ⅳ級窩洞:Class Ⅳcavity 前歯の隣接面窩洞で切端隅角を含む窩洞。■Ⅴ級窩洞:Class Ⅴcavity 歯冠の唇側、頬側、舌側の歯頸側3分の1における窩洞。しました。対顎の歯牙を傷付けない、歯に優しい充填材料といえます。優れた操作性 操作性については、独自のフィラー技術とポリマー配合技術により、筆積法での築盛が簡単に行えます。追加の充填や補修の際、前処理剤不要で追加の築盛ができることは、チェアタイムの短縮という点と、充填時のテクニカルエラーを減らすという点においても卓越しています。 さらに、『ボンドフィルSB』の適度な柔軟性はそのままに、光重合機能を加え、硬化時間の短縮を実現しました。歯頸部や隣接面を『保存修復学21 第5版』より改変