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概要

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115 2017.12歯科と砂糖の関わり方各国で「砂糖税導入」の動き日本では減少し続ける砂糖消費―ドイツのマルティン・ルター大学のハレ・ヴィッテンベルクとBrain AG社が、「世界中で砂糖が過剰摂取されており、その結果、世界の歯科治療費が1280億ユーロまで拡大している」と発表しました。各国で砂糖摂取の制限に向けた動きが見られますが、その一つが砂糖税の導入です。今回は、砂糖摂取をめぐる世界情勢について考えたいと思います。安田 海外に行くと、「なぜこんなに甘くするのか?」と思うほど、多くの砂糖が使われているお菓子や料理に出合います。それに比べて日本は、それほど砂糖摂取量は多くないように感じますが、いかがでしょうか。赤司 WHOは、生活習慣病予防のためとして脂肪、炭水化物、糖類などの一日摂取量のガイドラインを定めています。糖類に関しては、単糖(ブドウ糖、フクロース)、二糖(ショ糖、砂糖)に相当する遊離糖類の摂取目標を、一日に摂取する全カロリーの5%未満とするよう2015年から条件付きで推奨しています。それまでは10 %未満とする推奨のみだったので、より踏み込んできたといえます。 農林水産省の発表(2017年3月)によれば、日本人の一人当たり砂糖消費量は年間16・6㎏で、一日当たりに換算すると45・48gとなります(図1)。以前世界各国の年間砂糖消費量(2015年)図1一人当たり一日当たりオーストラリア47.6 kg 130.41gタイ43.1 kg 118.08gEU 35.2 kg 96.44gアメリカ33.7 kg 92.33gカナダ32.6 kg 89.32g韓国30.6 kg 83.84g日本16.6 kg 45.48g中国11.2 kg 30.68g砂糖消費と歯科治療費 ドイツのマルティン・ルター大学が、2010年の世界168カ国におけるう蝕、歯周病、欠損の分布および歯科医療費と、糖分の消費量について分析。糖分消費には通常の白砂糖だけでなく、ソフトドリンク、ケチャップ、アイスクリームなどの加工食品に含まれる糖分も換算した。その結果、一日25gの過剰な糖分を摂取すると、一人当たりの年間歯科治療費が平均1万1,000円上昇することが分かった。マルティン・ルター大学/ Brain AG(2017年8月)