ブックタイトルapollonia_1711

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概要

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115 2017.11指しゃぶり、爪噛みがアレルギーを防ぐ?行き過ぎた清潔志向への警鐘ニュージーランド・オタゴ大学のStephanie J. Lynch氏らが、1972 ~ 73年に出生した1,037人を対象にした「Dunedin Multidisciplinary Study」を基に、指しゃぶりなどの習癖と、アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症の発症を比較した(次ページに廣瀬氏の抄訳)。小児科では悪習癖ではない―今まで、指しゃぶりや爪噛みなどは、改善すべき「悪習癖」だと考えられてきました。歯科医療機関では主に歯並びへの影響から、早くやめさせるように指導してきたと考えられます。今回、コホート研究の結果で、・指しゃぶりや爪噛みをしているとアレルギーになりにくいということが示唆されて世界中で話題になりましたが、どのように受け止められましたか。安田 2006年に日本小児歯科学会がまとめた「小児科と小児歯科の保健検討委員会報告」によれば、指しゃぶりは母乳を飲むための練習として胎児期に獲得されるものである一方、乳児期に入るといろいろなものを口に運ぶ動作のために減少し始め、母子分離ができるようになる幼児期後半には、多くの子どもが指しゃぶりをしなくなると説明されています。 指しゃぶりの頻度は年によって異なり、東京都K区の調査では、2歳以降やや減少するものの20%台で推移。山形県T市の3歳児健診を受けに来た7900人では、居住地によって差があるものの、12・9~19・4%となっています。 哺乳のために必要な能力として胎児期から獲得された指しゃぶりが、哺乳が必要なくなった時期以降も継続する理由には、「親子関係の問題」「遊ぶ場所が少ない」などが挙げられています。ある年齢になると、望ましくない、改めるべき習『Pediatrics』に掲載されたコホート研究