ブックタイトルapollonia_1711

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概要

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2017.11 066重なり合う疾患 近年、シックハウス症候群(SHS)と、化学物質過敏症(MCS)、電磁波過敏症(EHS)が、それぞれ別の疾患ではなく、重なり合う病態であることが明らかになってきました。SHSが重症化するとMCSを引き起こし、さらにEHSを合併して難治性となるケースが多いことが分かってきたのです。そのため、合わせて「環境過敏症」と捉えるべきと主張する研究者が増えています。 早稲田大学応用脳科学研究所「生活環境と健康研究会」代表の北條祥子氏は、国際的に認められている問診表を使った疫学調査を実施。EHSを訴える人に症状の経過を聞き、「80%以上がMCS症状も示すこと」(図1)、「専門医によってMCSと診断された患者さんの約60%が電磁波過敏反応を示すこと」(図2)、「MCSとEHSを合併している人は、化学物質不耐性、症状、日常生活障害と 近年、世界的に建材、農薬、タバコ、化粧品、芳香剤などの影響が疑われる「化学物質過敏症」、パソコンやスマホ、Wi-Fi、無線LANの影響が疑われる「電磁波過敏症」など「環境過敏症」の症状を訴える人の急増が報告されています。これらの疾患は科学的に未解明な部分が多く、診断基準・治療法は確立しておらず、医療関係者の間でも肯定派と否定派が論争している一方で、これらを一つの疾患として捉えて病態解明をしようとする研究者・医療者が増えつつあります。これらの疾患発症は歯科に関連するものも多く、環境過敏症患者の歯科治療をしている歯科医師も存在します。今までの本誌の取材内容も合わせてレポートします。化学物質電磁波Hojo Sachiko北條祥子氏早稲田大学応用脳科学研究所「生活環境と健康研究会」代表尚絅学院大学名誉教授東北大学大学院歯学研究科研究員Ujiie Yoshiaki氏家賢明 氏東京都・氏家歯科医院 院長●取材協力:●取材・文:編集部エコロガジャパン㈱最新の知見と歯科対応急増する「環境過敏症」