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115 2017.09歯科医療の始まりはどこ?『歯痛の文化史』から読み解く原書(右写真)は1998年初版と、意外に古い。忠平氏は版権を取得して1年ほどで翻訳を終えた。「歯科の黒歴史」?―本日は、歯科関係者の間でもあまり知られていないエピソードが盛り込まれた歯科の歴史書である『歯痛の文化史』(朝日新聞出版)を、さまざまな角度から読んでいこうと思います。この本を日本語に訳して出版しようと考えたきっかけは何ですか。忠平 20年近くコンビを組んできた朝日新聞出版の担当編集者が定年退職なさるというので、最後にひとつ面白い本を出そう、と探しまくった末、「歯痛は誰もが経験しているし、なぜか話の種にしたくなるよね」ということで、この本に決定。ただ、版権取得から訳了までには、諸事情あって1年ほどかかりました。安田 本書の原題は『The ExcruciatingHistory of Dentistry ─ Toothsome Tales& Oral Oddities from Babylon to Braces』で、タイトルを直訳すると「歯科の耐え難い歴史」になりますが、副題の方はどう訳してよいのか難しいですね……。かなり苦労されたのではないでしょうか。忠平 そう、副題は頭韻を踏んでいて、うまく訳しきれませんね。本文にも掛詞めいた表現がたびたび出てきて頭を抱えました。でもそれ以上に、歯科医療の専門知識には全くの門外漢ですから、苦労しました。近代歯科医療の黎明期については、水谷さんの『18世紀イギリスのデンティスト』(日本歯科新聞社)に大層助けられました。それから神奈川県歯科医師会の「歯の博物館」を訪れて実物を見たり、インターネットで原書の出典まで