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2017.08 G03知覚過敏症って病気? 「歯がキーンとしみて痛い!」という主訴の患者さんが来院することも多いかと思います。知覚過敏症は、原因を考えて治療するという点では、他の保存治療や補綴治療と変わりません。しかし、患者さんの中には、「そのうち治るかな」と思って放っておく人も多いと思いますし、歯科医師も意外「病因」「病態」「診断」「処置」は、『保存修復学21 第5版』p. 70 ?73 を改変に知覚過敏症のことを知らずに、「そのうち治ります」と説明する人もいるようです。 本稿でも知覚過敏症について一度考察していますが(2013年4月号)、使用方法が煩雑だったり、効果がなかなか認められない薬剤もありました。 今月は、知覚過敏症について再度考えてみたいと思います。■ 病因  窩洞形成、咬耗、磨耗、破折、歯周疾患による歯根露出などで生活歯のエナメル質やセメント質が失われて象牙質が露出し、象牙細管が口腔内に解放されると、機械的刺激、化学的刺激、温度刺激、乾燥などで一過性の鋭い痛みを生じる。■ メカニズム① 象牙芽細胞が疼痛受容器として働き、刺激が神経線維に伝達される。② 象牙細管内溶液の移動によって歯髄側の神経線維が興奮する(動水力学説)。③ 象牙質内に神経線維が存在する。④ いくつかのメカニズムが複合して関与している(多元説)。■ 病態 象牙質知覚過敏症は象牙質露出症例の20%程度といわれており、好発部位は歯冠歯頸部と露出歯根面である。歯頸部のくさび状欠損部での知覚過敏症の発生率が高く、70%に上るとの報告もある。症状としては、一過性の擦過痛や冷温水痛が挙げられる一方、自発痛を伴わないのが特徴である。知覚過敏症とは?■ 診断 疼痛は一過性であり、自発痛を伴わないことが診断の基準となる。■ 処置① 口腔衛生指導② 象牙細管開口部の閉鎖③ 歯科用レーザーの応用④ 咬合調整⑤ 修復 ⑥ 抜髄知覚過敏症のイメージ。