ブックタイトルapollonia_1708
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apollonia_1708
2017.08 G13院長 今回は顎関節脱臼について説明しよう。T先生は顎関節脱臼の整復をやったことはある?T君 いいえ、ありません。院長 診療室でもあまり遭遇しないよね。もし外来で来院したら整復をトライして、ダメだったら口腔外科に送ることになる。では、整復できたらどうする?T君 あまり口を開けないように指導し、消炎鎮痛剤を処方する……ですか?院長 半分合っている。まずは整復したら院長 以前、顎関節脱臼の治療で在宅に行った時、整復は何とかできたけど固定方法が分からなかった。ネットで必死に検索したものの、顎関節脱臼の病態、治療法、転機などの資料はあまりなかった。T君 顎関節脱臼を整復したことのある歯科医師は少ないのでは?院長 やり方だけはみんな知ってるけどね。まず、調べた範囲で顎関節脱臼の概要から説明しよう。①急性顎関節脱臼:あくび、外傷、咀嚼筋の疲労などで顎関節が脱臼した病状。②習慣性顎関節脱臼:「関節包、靭帯の伸展」「関節結節の平坦化」「多数歯欠損で義歯を使用していない」など、さまざまな理由で顎関節脱臼を繰り返すことが多い病状。整復は容易で本人が整復できるようになっていることもある。③陳旧性顎関節脱臼:脱臼後3~4週間が固定が必要だ。包帯などで下顎を固定しないとまた脱臼するリスクが高い。特に以前脱臼したことがある患者さんや認知症の方は再発しやすいから注意すること。T君 そうですよね。整復したら固定が必要ですね。 院長 診療室でも包帯ぐらいは用意しておくといい。整復の方法は知ってるよね。T君 はい。教科書で見たヒポクラテス法とボルヘルス法があります。前方からの整復と後方からの整復方法です。経過し、関節部に2次的な気質的変化を生じて徒手整復が困難になった状態。この場合、観血的整復となり、病院整形外科、口腔外科医へ依頼することになる。 無歯顎・重度全身疾患(パーキンソン症候群など)・下顎の異常不随意運動・認知症・精神疾患などで口腔の観察が遅れて顎関節脱臼を見逃してしまい、陳旧性顎関節脱臼になってしまうこともある。 私も精神科の看護師から「最近食事を取らなくなってきたので、口腔内に問題がないか診てほしい」と依頼されて診たところ、明らかに顎関節脱臼で咀嚼ができない状態だったことがあった。1 ~ 2週間放置されていたので整復がかなり大変だったけど、その後元気に食事ができるようになったんだよ。もう少し発見が遅れていたら陳旧性顎関節脱臼に移行して、観血的処置をすることになったかもしれない。病院では体力顎関節を脱臼した患者さんが来たら?顎関節脱臼の概要と種類