ブックタイトルapollonia_1706

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概要

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2017.06 G03 今月は、治療の困難さや予後に問題が起きやすいことで敬遠されがちな歯内療法について、保険診療でも効率的に行える方法を考察してみたいと思います。Ni-Tiファイルの使用 近年、トルクコントロール付き専用エンジンの開発とNi-Tiファイルの登場により、根管形成の治療成績が大きく改善しています。Ni-Tiファイルは素材の弾性により、根管形態に相似した形での拡大形成を助け、診療時間の大幅な短縮を実現しました。 ㈱モリタの『エンドウェーブ』は、根管上部のフレアーを形成する08テーパーの#35と、10テーパーの#40が用意されています。06テーパーで#10?#40、04テーパーで#10?#35、02テーパーで#10?#60が用意されていますが、ほとんどの症例で、3 ~ 5本のファイルで前歯から大臼歯まで対応できます。 特に、ファイルの断面が三角形なので非常に切削効率が高く、刃部が根管壁に接触しないようにするアンチスクリューインデザインにより、破折の原因となる根管壁への食い込みを防止しています。また、エレクトロポリッシング加工により表面形状が非常に滑沢なため、ファイルにトルクが掛かりにくくなっています。 当院では、今回新しく発売された『スーパーファイルMGPキット』と『エンドウェーブMGPキット』をネゴシエーションに使用しています。『スーパーファイルMGPキット』は、石灰化の著しい症例に使用します。ステンレススチールファイルなので切削効率も良好です。『エンドウェー『歯内療法学専門用語集』より改変ブMGPキット』はNi-Tiファイルで柔軟性に優れ、複雑な根管形態にフィットします。 破折等の事故を防ぐためには、いずれのファイルセットも単回使用することが望ましいとされます。『トライオートZX2』の使用 今年4月、㈱モリタから根管測定機能付きモーター『トライオートZX2』が発売されました。当院でも、歯内療法では『デンタポート』『トライオートZX』(いずれも㈱モリタ)を使用していますが、今回新たにOGP(Optimum Glide Path)機能が追加され、#20以下の細いファイルを用いた、モーターでのグライドパスが可能となり、湾曲や狭窄した根管でも効率的な治療ができるようになりました。 『トライオートZX2』を使用する際に最も重要なことは、根管内液を根管口から溢れさせないことです。『ルートZX』のような根管長測定器でも同様ですが、漏れた場合には必ず洗浄を行います。 根管口から根尖孔までファイルが到達できる状態を確認する操作。一般に根管形成初期に手指感覚および電気的根管長測定によって行われるが、根尖孔手前でレッジを形成し、当初得られた穿通孔を失ってしまうことがあるため、適宜、穿通確認操作を行う必要がある。症例によっては根尖孔が石灰化し、穿通が得られないことがある。穿通確認操作negotiation