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2017.05 G03合着用セメントの種類 合着用セメントは、燐酸亜鉛セメント、ポリカルボキシレートセメント、グラスアイオノマーセメント、接着性レジンセメントに大きく分類できます。 燐酸亜鉛セメントは、液は燐酸水溶液、粉は酸化亜鉛が主な組成であり、使用が始まって100年以上の歴史があります。燐酸亜鉛セメントは、粉と液を混ぜる時に中和熱が発生するため、ガラス練板を使用して放熱する必要があります。流動性が高く、硬化後の物性も高いのですが、金属には接着しないことと、水分で溶解するという欠点がありました。保存の実習で、燐酸亜鉛セメントの練和でガラス練板と金属スパチュラを使用したことを覚えている先生も多いと思います。金属スパチュラで練和できるのは、他のセメントと違い、金属に接着しないからです。 ポリカルボキシレートセメントは燐酸亜鉛セメントと違い、液にポリカルボン酸という高分子を使用しています。実際には、カルボン酸基(-COOH)を含むポリアクリル酸を使用しています。さらに強度を増すために粉の成分を改良したものがグラスアイオノマーセメントで、粉にシリカ、アルミナ、フッ化カルシウムを使用して物性を高めています。 これをさらに改良したものが、臨床で最も使用されている接着性レジンセメントとなります。接着性レジンセメント 接着性レジンセメントは、MMA系とコンポジットレジン系に大別されます。トリ-n-ブチルポラン(TBB)の部分酸化物を含むものは、酸素によってラジカルが発生し、重合が開始します。 コンポジットレジン系は、充填に使用するコンポジットレジンに似た組成を示し、機械的強度も大きいという特徴があります。MMA-TBB系は圧縮強さは小さいものの、象牙質に接着するという利点があります。接着性セメントの合着力を十分に発揮させるには、補綴物と支台歯の前処理を確実に行うことが必要です。合着のポイント・基本的な補綴設計と支台歯形成を確実に行う・セメントが介在しても、試適時と同じ位置に浮き上がらないことを確認する・防湿下で確実に支台歯と補綴物を圧接する・装着時に、マージン部の全周から余剰セメントが溢出することを確認する合着時に失敗すると…・ 気泡の混入により象牙質表面に空気の層が形成され、咬合による圧力がポンプ作用として象牙細管に伝わり、歯髄変性を起こす可能性がある・ 死腔として細菌の温床となる可能性がある・補綴物の脱落、2次う蝕・ 歯肉の炎症、退縮・ マージン部のステイン付着・ インプラント周囲炎結果として…