ブックタイトルapollonia_1702
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apollonia_1702
2017.02 G03接着材料の進化 多様なう蝕の治療において、接着の際はそれぞれに適切な材料や術式を的確に選択する必要があります。また、接着材料の進化は目覚しい一方、さまざまなCAD/CAM冠やジルコニア等の修復用材料の普及や、高齢者を対象としたう蝕治療の機会も増加するなど、接着材料の活躍の場はより多様化しています。 2016年4月の診療報酬改定で導入された「CAD/CAM冠内面処理加算」のように、新しい修復材料についても、接着技法の重要性は保険医療の中で高く評価されています。 今月は、昨年11月に発売された新しい多用途のボンディング材に焦点を当て、通常の充填修復以外のCAD/CAM冠の装着などを例に、ボンディング材の効率的な「使い道」を考えたいと思います。ボンディング材開発の歴史 まず簡単に、ボンディング材開発の歴史を紹介します。?1978年、リン酸エッチング材、接着性を有するリン酸エステル系モノマー(フェニルP)を配合したトータルエッチングシステム『クリアフィル ボンドシステムF』が発売。?1987年、機能性モノマーに、分子端末にリン酸基を有するメタクリロイドデシルリン酸(MDP)を用いた、カンファーキノン(CQ)による光重合式の『クリアフィル フォトボンド』が発売。?1993年、プライマーに含まれるフェニルPのリン酸基が歯牙に作用し、歯面を『接着YEAR BOOK 2006』p.123表1を改変1リン酸エッチングの報告2MMA 以外の修復用レジン検討3コンポジットレジン開発4接着性機能性モノマー4-META 開発5部分酸化TBB 完成6クエン酸?塩化第2 鉄処理液開発7接着機能性モノマーPhenyl-P開発8接着機能性モノマーMDP開発9高親水性アミド系モノマー開発歯質接着材の研究脱灰して歯質に浸透して接着する『クリアフィル ライナーボンドⅡ』が発売。?1998年、機能性モノマーをフェニルPからMDPに変更した『クリアフィル ライナーボンドⅡΣ』、翌年にはさらに進化した『クリアフィル メガボンド』が発売。?2005年、ワンステップタイプの『クリアフィル トライエスボンド』が発売され、1ボトル・1ステップが主流に。?2006年、フッ素徐放性と抗菌性を付与した『クリアフィル メガボンドFA』が発売され、接着の技術が大きく進歩。「FA」とは、フッ素徐放性(Fluoride releasing)と抗菌性(Antibacterial)を意味する。 プライマーに含まれる抗菌性モノマーMDPBは、塩化セチルピリジニウムに類似した構造に、重合部位を付与している。また、ボンドに含まれる表面処理フッ化ナトリウムフィラーは、長期にわたり微量のフッ素を徐放する。フッ素イオン徐放後も