ブックタイトルapollonia_201612
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2016.12 G03重合収縮が周辺歯質に与える影響MIの浸透 Minimal Intervention(MI)という概念の周知に伴い、近年のコンポジットレジン修復の進化は目を見張るものがあります。 今月は、コンポジットレジン修復の歴史を変えるような注目の製品が発売されたことを受け、日常臨床に使用した実感を踏まえて、コンポジットレジン修復について考察したいと思います。重合収縮とは コンポジットレジンは、無機質フィラーと有機質マトリックスレジンからなる粒子分散強化型複合材です。無機質フィラーの形や大きさはメーカーにより異なりますが、コンポジットレジンの歴史と進化は、無機質フィラーとモノマーの改良の歴史であると言っても過言ではありません。 コンポジットレジンの実用化は、1956年にアメリカ国立標準技術研究所(NIST)のバッフェンバーガー研究センターのBowen博士による、Bis-GMAというモノマーの開発から始まります。 コンポジットレジンは重合する際に重合収縮(体積収縮)しますが、この収縮が臨床ではテクニカルエラーにつながります(図1)。重合収縮とは、モノマーが重合する際にモノマーとモノマーの距離が短くなり、体積が減ることを指します。 Bis-GMAは図2のような構造をした二官能性モノマーです。分子量が大きいため重合する部分(二重結合)の数が少なくなり、重合収縮も少なくなります。また、吸水性が低く、熱による影響も少ないことから、Minimal Intervention(MI)FDIガイドライン図11 初期う蝕に対しては再石灰化2 修復に際しては歯の切削量を少なくする3 口腔内細菌を少なくする4 二次う蝕に対しては修復物を除去してするよりも補修を行う5 術後の予防管理を行う『補綴臨床』p.120、図1「MIの定義」を改変・健全歯質の削除がほとんどない・審美的な修復が可能・対合歯を傷める可能性が低い・一度の来院で治療が完結するコンポジットレジン修復の利点・欠点利点・細部の仕上げ研磨が難しい・防湿のできない症例は修復ができない・重合時に収縮がある・間接法を用いた補綴よりも、術者の技術に左右される欠点重合収縮率および重合収縮応力が高いと辺縁漏洩の原因となり、二次う蝕や着色が起こりやすくなる。ボンディングとCRが強固に接着していた場合、歯質にクラックが発生する恐れがある。