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概要

apollonia1610

2016.10 G03SPTが算定項目に 本年の診療報酬の改定により、かかりつけ歯科医機能強化型診療所では、SPT(Supportive Periodontal Therapy)というメインテナンスの項目が毎月算定できるようになりました。 歯周病治療における機械的な清掃、口腔内の殺菌、消毒、洗浄の重要性に異論はないことと思います。今月は、SPTのプロケアからホームケアへの効率的な移行について考察したいと思います。歯周病、歯石とは 歯周病は、グラム陰性嫌気性桿菌を主とする歯周病原性細菌が歯肉に感染し、その結果生じた宿主応答としての炎症に起因します。臨床的には、歯肉の発赤、腫脹、出血、歯の動揺が見られるようになります。直接的原因はバイオフィルムであり、プラーク付着部位の歯肉はプラーク中の細菌により攻撃され、炎症が生じます。このプラークとバイオフィルムを除去することが、歯周病治療の基本となります。プラークが硬化したものが歯石です。 1965年、Loeの実験的歯肉炎の研究により、プラークが付着すると炎症が起き、それを除去すると炎症がなくなることが分かりました。米国歯周病学会(AAP)は、2001年にスケーリングを「歯冠、歯根表面から、プラーク、歯石、着色を全て機械的に取り除くこと」、ルートプレーニングを「毒素、細菌、歯石が浸透した粗造なセメント質、象牙質表面を取り除くことを目的とする処置」と定義しています。歯科医師と歯科衛生士の役割分担 歯科衛生士は予防業務を実際に行う要となる存在ですが、初診時の動機づけは院長または歯科医師が行い、患者さんの納得を得ることが効果的です。予防では、歯科医師と歯科衛生士が「どこで」「誰が」「何を」行うのかという役割分担が重要になります。 ブラッシング指導は、まず良い歯ブラシを選択することから始まります。当院では、炎症の部位に毛先が当たると痛みを感じる場合には、柔らかい歯ブラシを薦めることが多いです。歯ブラシが基本ですが、歯間部の空隙の大きさによっては、歯間ブラシを使用した方が有効な場合もあります。根面う蝕の発症メカニズム 根面(象牙質)は柔らかく、弱い酸性度(6.0?6.2)で脱灰するとされています。容SPTでの根面清掃■SPT の目標■SPT の内容・メインテナンスによる疾患の発症防止・現在の疾患の進行防止・適切な治療後の疾患の再発防止?歯科疾患の既往歴と再評価?口腔衛生、歯周治療の再評価?現症の説明と再指導?必要な部位のSRP?歯科衛生士によるPMTCSupportive Periodontal Therapy