ブックタイトルapollonia_1607
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apollonia_1607
2016.07 G11院長 今日は、義歯セット時のフォロー調整を勉強しよう。在宅ではなかなか補綴前処置ができないから、それをセット時につじつまを合わせる方法だ。T 君 よろしくお願いします。院長に言われたように、治療室で義歯の印象を取る前に前処置を行っているのですが、義歯セット時に「ここもやっておけばよかった」と思うことがあります。院長 T先生は義歯をよく勉強しているね。私が若い時、老人ホームに往診に行った時のことだけど、そこは難症例の山で、やってもやっても満足してもらえる義歯ができなくて、義歯の勉強を始めたんだ。大学の選科生になったり、講習会に出たり、本を読み漁って分かったことは、前処置を行うことの重要性。それから、ランドマークを確認して本来の歯列、本来の顎堤を再現すること。私の義歯の腕は上の下ぐらいかな。もっと勉強する必要があると思ってる。 でも、認知症の患者さんの治療には少し自信があるよ。何せ毎日未知の領域で悩んでいるからね。私は歯科医師として、まず患者さんの口腔内の問題解決を最優先に考えている。 認知症の患者さんに対しては、「患者さんに寄り添い、安心感を持たせて治療する」ことが大事なんだけど、なかなかうまくいかない。ゆっくりやっていると認知症の症状や体調の悪化が進んでしまう。在宅で、口腔ケアを優先した患者さんの悲惨な口腔内をたくさん見たよ……。 本来、歯科医師の仕事は「まず治療して、口腔機能を改善すること」だ。その後ゆっくり認知症の患者さんと向き合い、口腔ケアをする。いつまでも食事ができるように食形態まで関与していくことが必要だと考えているんだ。T 君 院長は訪問でも前処置を行っているので参考になります。特に義歯のセット時にやってしまうのにはびっくりしました。院長 認知症の患者さんは不快なものを拒絶するので、快適な義歯を入れるためには前処置が大切なんだ。咬合平面、鉤歯の形状、舌房の大きさ、人工歯の位置、コルベン状、辺縁の形状などは、使用可能な義歯の絶対条件。セット時にフォローできることもある。①「 前処置」の重要性② 咬合平面の改善院長 まずは咬合平面の改善だね。対合歯が挺出歯の場合、事前に削っておくことは簡単。旧義歯の鉤歯であったり咬合に関与している場合は、セット時を予測して模型を削除する。正しい咬合平面で義歯を作製し、セット時に挺出部分を削合してしまえば終了だ(写真1 ~ 3 )。T君 これはやっています。印象前にスナップ印象を採り、咬合平面を考え、挺出歯は患者さんに説明して削合しています。院長 対合歯の咬合平面が低い場合はどうしてる?