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概要

apollonia_1607

121 2016.07「とことん型」から「まあまあ型」へ超高齢社会で医療スタンスが変化歯科における「とことん型」―高齢化や疾病構造の変化に伴い、糖尿病やCOPDなど完治を期待できない慢性疾患や、歯周病による歯の欠損のような、「病気の結果」による障害が、わが国では医療の主な対象となっています。 そのような中で、これまでは当然のように完治がゴールと見なされてきた急性期疾患に対しても、病気を治すことを目的としない「まあまあ型」の医療が求められるようになってきたとされています。 今回は、この変化が歯科においても当てはまるかどうか、この変化が歯科医療現場に投げ掛ける課題は何かを考えてみようと思います。歯科において「まあま「とことん型」医療と「まあまあ型」医療 急性期医療においては、病気を治すことを目的とする「とことん型」と、病気は完全には治らなくても、地域で生活を続けられるように身体も環境も整える「まあまあ型」がある。今後急増する後期高齢者が主に必要とするのは、「まあまあ型」急性期医療である。※国際医療福祉大学大学院・高橋泰教授のまとめによるあ型」医療は成り立ち得るでしょうか。安田 象牙質まで達したう蝕、骨吸収を伴う歯周疾患および欠損は、いずれも「病気の結果」だと捉えられます。従って、これらは歯科疾患3 3 ではなく、・歯科疾患の結果生じた障害3 3(形態、機能)であり、・必要なのは治療ではなくリハビリであるといえます。一般に「歯科治療」と呼ばれている充填修復、歯冠修復、欠損補綴のいずれも、定義上は治療としての側面を持っておらず、形態や機能を回復するためのリハビリであると位置付けなければなりません。 そもそも歯の欠損を入れ歯などで補うのはリハビリですから、その領域で完治