ブックタイトルapollonia1606
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apollonia1606
2016.06 G11院長 今回は義歯の完成セットについて説明しよう。K君 やっと完成ですね。今までかなり慎重に行ったので、ばっちりでしょう。院長 これで認知症の方が気持ち良く食事ができるようになればいいんだけど、新しい義歯を受け入れてくれるかが問題だよ。 では、義歯のセットはどうすればいい?K君 まず、完成義歯を観察します。院長 そう。分かってきたね。ではどこを観察する?K君 義歯床縁、人工歯配列、リリーフ部位は咬合採得時と配列試適時にチェックしているので、このままでいいのでは。あと、アンダーカットの削除です。院長 それでは50点だ。説明しよう。?義歯表面が滑沢であるか 光にかざして極度に薄い所がないか、義歯を両手でつかみ、そっとひねってみてたわむ所がないかを見る。滑沢でなければ舌触りも悪く、レジン重合時のむらがある可能性が考えられる。義歯に薄い所があれば、そこはこれ以上削れない所で、削る場合はレジンを補強してから。 義歯がたわんだら、咬合調整時に注意することがある。特に両側遊離端義歯ではたわむ所の粘膜が痛くなる。義歯内面を削合するとさらに薄くなってたわんで、最後は破折する。補強線が入っていても、弾性の違いでレジンと補強線の間が剥離して弱くなる。そのため外側からレジンで補強修理し、たわみが一点に集中しないようにする。 きれいな完成義歯を加工するのはもったいないが、まずは使用可能な義歯にすることが先決。?残根と当たる義歯内面がリリーフまたは 削合されているか 残根を口腔内で押してみて、動揺がひどい残根、周りに炎症・出血のある残根にはさらに内面を削合した方がよい。① たわみのコントロール② 模型と咬合床のチェック?アンダーカットの削除 内面を着脱方向から観察して義歯辺縁内面に線を引く。次に、歯槽骨が出ている義歯内面に線を引く。この2本の線で歯槽骨の線が見えない所がアンダーカット部分だ。全て削ってしまうと吸着しなくなることもあるので慎重に削る。削合部位は上下顎前歯部、特に残根がある場合は歯槽骨が出ていて削合量は多い(写真2 )。 上顎後方は上顎結節の歯槽骨が張り出していることが多く、アンダーカット量も多い。ここに義歯が最後まで入らないと、アーラインの封鎖が足りなくて吸着が甘くなる。 下顎顎舌骨筋線部位はアンダーカットを削りすぎたり、辺縁が長すぎると痛む。だが短いと吸着しないので慎重な調整が必要。床縁の長さは舌の動きとの関係が深いが、「舌を前に出して」などと指示すれば当然当たってくるので、削ることになる。こ