ブックタイトルapollonia_201604

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2016.04 060ユニットの座面張り替えで高級化椅子工房「工象」の仕事 チェアの座面が汚れたり破れたりしただけで、動作に全く問題がないのにユニットごと買い換えてしまうケースもあるとか。数百万円のコスト負担は手痛い出費ですが、座面を張り替えるだけなら十数万円のコストで済み、座り心地も大幅に改善され、患者さんからは「椅子が新しくなった」と思ってもらえます。代表の小池譲氏が厚生労働省の「現代の名工」(卓越した技能者)の表彰を受けた、椅子工房「工象」の現場を取材しました。●取材・文:編集部●取材協力:㈱ヨコミゾメディカル㈲工象「工象」を率いる小池譲氏は、新幹線やリニアモーターカーの座席のプロトタイプ作成を依頼されるなど、椅子業界のマイスターとして知られる。100年前の椅子を、当時の工法で復元することも。座面張り替えのメリット 神奈川県の歯科ディーラー、ヨコミゾメディカルはユニットの座面張り替えサービスを提供しています。張り替えを行うのは埼玉県所沢市にある工象。椅子張り替えの国家技能士が「現代の名工」のウデを振るうことから、一部に強い支持者が存在します。 海外、特にユニットを長期間使用し続ける傾向があるアメリカでは、座面張り替えサービスは広く普及しています。チェアの座面は経年劣化する上、ちょっとしたきっかけ(患者さんがズボンに車のキーを付けていたなど)で簡単に破れてしまうため、消耗品扱いになっているのです。座面を消耗品扱いとすれば、ユニット全体の耐用年数が長くなり、経営効率が高まります。 また、座り心地を向上させるという面でも座面張り替えは有効です。通常、チェアの座面に用いられるウレタンは厚めの一枚物を使用しますが、これでは患者さんの重量を分散できず、安定性の面で限界があります。