ブックタイトルapollonia_201601

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075 2016.01「政治力」「歯科医師数」「国際化」2015年の歯科界を振り返る二つの「幻想」―あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。今回は、2015年の歯科界を振り返りたいと思います。 まずは、日本歯科医師連盟による迂回寄付で、現職の日本歯科医師会会長らが逮捕されるという異例の事態となった事件を挙げなければなりません。残念ながら、これが最大のトピックなのは事実でしょうね。安田 確かに世間一般に与えたインパクトは大きく、「歯科医師が、また政治と金で問題を起こした」という印象が広がりました。実際、各地の連盟活動に支障が出てきているのも事実のようです。 しかし、問題の本質はそこではないように思います。長い間、・歯科は医科に比べて政治力が弱い・そのせいで保険改定で損をしている     ?・職域代表の国会議員を比例で出さねば!という前提で歯科界は動いてきました。歯科医師連盟の会費は、一般的な歯科医師の年収から見ても決して安くはないはずですが、その出費に見合うだけの「効果」があったのかどうか、今回の事件をきっかけに疑問を持つようになった会員も多いと聞きます。 歯科界は事実上、政治力が全くない状態で次回の保険改定の議論に臨まなければならなくなりましたが、私は、これは非常に良い機会だと考えています。もし、本当に政治力が医療経済の流れを決める重要な要素なのであれば、社会通念上の常識を超えた「懲罰改定」が歯科に適用されるでしょう。 一方、財界や財務省だけでなく、厚生労働省ですら「マイナス改定やむなし」という雰囲気になっている中で、仮にさほどマイナスにならなかったとすれば、・歯科界が「実は政治力ってそんなに重要じゃないのかも?」と気付く可能性もあるのです。もちろん、政治力は長期的な視野で見るべきでしょうが、これまでの在り方が「費用対効果」として見合ったものであったのか、検討の余地はあると思い