ブックタイトルapollonia_201502

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063 2015.02出来高好き、連携嫌いの本音歯科は保険診療に向かない?「キチンと志向」が保険の原則―現在、本誌の連載「高村くるみが行く!」で、「私の考える保険制度」と題して意見を募集しています。今回は、それにちなんで「歯科は保険診療に向かないのではないか?」という疑念を投げかけてみたいと思います。安田 レセプトの審査員として保険に関わってはきましたが、大学病院、企業内診療所での診療を続けた後、自費診療主体の医療機関に所属していたため、長らく私にとって保険診療は「他人事」でした。近ごろ、患者さんの要望により保険診療を行うようになったのですが、・歯科に保険制度は合わないのではないか?という、ある種の疑念が浮かんできました。―どういったことでしょう。安田 医科・歯科を問わず、保険診療とは、特定の傷病に対する「標準治療」に対して、保険者が所定の診療報酬を支払うのが基本です。歯科には、この「標準治療」の物差しがあるかどうかが分かりにくいのです。―確かに医科では、地方によっては地元の医師会などが協力し、医学部の学生に保険制度の説明をしています。その際、「ガイドラインにのっとった標準治療を心がけるように」「やむなく逸脱する場合には、カルテに医療判断の根拠を明示し、その旨をレセプトの摘要欄に記載せよ」と指導するケースが見られますね。歯科では、そのような教育がされていないということでしょうか。安田 歯科では、こと細かな診療ガイドラインは整備されていないのですが、その分、根拠薄弱な術式や順序が金科玉条のように大学で教えられています。それこそが、歯科における保険診療のルールとして準用される手技なのです。 近年の若手歯科医師の多くは妙に真面目で、・大学で教わったこと、成書にあることのみ(!)を「キチンと」やるのが正しい診療