ブックタイトルapollonia_201408

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概要

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その歯科医療、本当に必要ですか?医療の無駄への批判無駄な医療―室井氏の著書『絶対に受けたくない無駄な医療』は、「軽度の頭部外傷でCT検査をするべからず」「風邪に抗菌薬は使わない」「胃ろうは認知症では意味なし」など、これまでの医療行為のうち、臨床的意義が不明だったり、効果を示すエビデンスが不足していたりするため、無駄であると判断したものを紹介しています。この本で述べられているのは、米国の専門学会が有効性に疑問を投げかけている医療がこんなにもあるという事実です。 歯科医療についての言及はありませんが、「歯科にも無駄な処置、検査が多い『絶対に受けたくない無駄な医療』室井一辰 著/日経BP 社のではないか」という見方をする識者も少なくありません。安田先生の目から見て、どの辺りに無駄がありそうですか。安田 歯科医療は、修復物の色選択など、患者さんと歯科医師の価値観に左右される領域が広いのが特徴です。そのため、容易にガイドラインで「標準治療」を策定してしまうことはできませんし、アメリカにおける専門学会の取り組みのような標準治療の見直しもなかなか進まないものです。―近代歯科医療の歴史をひもとくと、麻酔、インプラント、接着歯学を除けば、基本的には200年以上もほとんど変化していないようです。そのため、逆に「何が無駄か」を見直すことも容易ではない115 2014.08