ブックタイトルap_tachiyomi_1312

ページ
11/14

このページは ap_tachiyomi_1312 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

ap_tachiyomi_1312

0612013.12としていては技術者としてのこだわりが正当に評価されず、ダンピングを強いられる構造は変わらないからです。韓国社会には、「職人的な仕事を軽視する」という傾向があります。そのため、国立の歯科技工学校が存在しないなど、歯科医師よりも圧倒的な下位に置かれてきた歴史的経緯があるのです。「このままでは歯科医師の手伝いで終わってしまうのではないか」との危機感が 韓国は、米韓自由貿易協定(米韓FTA)を締結する過程で、全ての産業分野で国際化が進行しつつあります。歯科では技工所に適用されていた「指導歯科医師制度」が、国際化の阻害要因として問題になりました。これまで歯科技工士は歯科医師の「診療補助者」という位置付けだったため、歯科技工所の開設に当たっては、所定の指導歯科医師が必要だったのです。これでは、技工物作製の自由度は著しく低く、価格面などについても厳しい条件を飲まなければなりませんでした。 大韓歯科技工協会では、政界への働きかけなども含めた運動を展開し、・指導歯科医師制度の廃止に踏み切ったのです。これにより、独立した事業者として活動できるようになりました。現時点では、日本の歯科医師と歯科技工士との関係に近い在り方となっています。 しかし、これだけでは自由は生まれません。なぜなら、自国の歯科医師だけを顧客明日の姿か韓国の歯科技工 大韓歯科技工協会の孫永錫会長は、本誌編集長との対談の中で、「韓国の技工業界は、さまざまな意味で自立していかなければならない」との見解を示しました。1 技工流通国際化の現状弊社を訪問した大韓歯科技工協会幹部の皆さん。本誌編集長と、今後の極東アジアにおける歯科技工の国際的な展開について話し合った。ソウルにある中堅の歯科技工所。大型CAD/CAMをフル稼働させて作製した高付加価値な歯冠修復物のほとんどは、ヨーロッパ向けだという。