ブックタイトルap_tachiyomi_1311
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G032013.11れ、これらが連携し、秩序ある生命活動が営まれる(表)。 われわれ歯科医師が管理する口腔は「咀嚼器官(masticatory organ)」で、機能としては摂食(捕食)、咀嚼、嚥下、味覚の受容、発音、呼吸、姿勢維持、ホルモン分泌などが挙げられる。 このように、咀嚼器官は一器官であるにもかかわらず、消化器系、運動器系、呼吸器系、感覚器系、内分泌系、そして外皮系の器官として働いているのである。 人体の中で、これだけ多くの器官系にかかわるのは咀嚼器官以外にはないため、非常に複雑な反応をすることになったのである。重力を2点で支える人間 本連載のメインテーマは「咬合力学」であるが、力学的に最も重要なのは、地球上に存在するものは全て重力に支配されているということである。そして、この環境で快適に過ごすためには、重力の影響を最小限に抑える必要がある。 重力に関する問題の基準はどこに求めるべきか。それは接地している部分にほかならない。接地部分を結んだ領域である支持域の中心に全体の重心が一致していれば、重力の影響は最小限に抑えられることになる(第5回:2011年3月号参照)。 4足以上の生物では、自然とこれが一致する。しかし、完全直立二足歩行ができる人間は接地部分が2点しかないため、このようにはならない。では、人間の場合どのような状態がそれに当たるのであろうか。 それは、正面観では鉛直上の垂線(重力線)上に眉間、人中、胸骨柄切痕、剣状突起、恥骨結合、膝関節の中間点、足関節の中間点が図1 理想的な姿勢耳孔肩峰大転子膝内果の前縁 理想的な姿勢とは、正面観では眉間、人中、胸骨柄切痕、剣状突起、恥骨結合、左右の膝関節の中間点、左右の足関節の中間点が一直線に並んだ状態を、側方面観では耳孔、肩峰、大転子、膝関節のやや前方、内果の前縁が一直線に並んだ状態をいう。そして、この姿勢では重力線と重心が一致し、左右のヒラメ筋以外の筋肉は活動していないといわれている。 つまり、最も小さな負担で重力に逆らって立っている姿勢といえる。眉間人中胸骨柄切痕剣状突起恥骨結合左右の膝関節の中間点左右の足関節の中間点