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065 2013.06特 集口腔疾患の新プロトコル音楽療法をやってみよう! 日本音楽療法学会の学術発表の比率を見ると、約75%が歌唱に関連した内容です。実際に、音楽療法の現場では「歌う」ことが重視されており、このことは歯科医療との関連にとっても重要な意味を持ちます。・歌うことによって口腔周囲の筋肉、舌、咽頭の機能が改善することから、現在、歯科医療にとって喫緊の課題になっている口腔機能維持のための口腔ケアに非常に役立つからです。 私が歯科医師として音楽療法を本格的に導入しようと考えたのは、障害者医療を専門に行う病院に赴任した直後でした。治療はおろか検診ですら、患者さんや対象者から強く拒否されてしまい、対処に苦慮したためです。日常の診療で思わぬ事故につながる危険性があるのではないかと強く感じました。 リラックスして歯科治療、検診、口腔ケアを受けていただける関係性を築くにはどんな方法があるのかと考え、音楽療法の習得と実践が浮かびました。6歳からエレクトーンを習ってきましたし、大学入試の際には医・歯学部か音大(音楽史)かで悩んだほどですが、正直、現在の私には、「音楽家」として認められるほどの技量はありません。しかし重要なのは、・楽器が弾けなくても、たとえ歌うのが上手でなくても音楽療法は可能だ!ということです。タンバリン一つ持ち、いくつかの童謡唱歌を歌えれば、工夫次第で素敵なセッションが可能です。 現在の学会基準では、歯科医師・歯科衛生士が「音楽療法士」になることは簡単なことではありません。音楽の実技とともに、精神科や心理学など多くの課目の試験があるからです。しかし、歯科医師4444として444口腔ケアの中に音楽療法のエッセンスを応用して歌の活動を行うことは可能です。 とはいえ、歯科医療従事者、特に歯科医師が1時間にも及ぶ本格的なセッションを日常的に行うのは、経営面で無理があります。現在は多職種連携の時代です。訪問先の施設に音楽療法士がいれば訪問診療時に一緒に活動する、または音楽療法学会に依頼することが望ましいでしょう。また、歯科医療の主軸が外科系の手技から内科系のケア重視に移っていくことから、・地域住民対象のイベントに音楽療法のセッションを取り入れることも、医院あるいは歯科医師会などの存在意義を高める術になります。 現在、単独の歯科医療機関ではなく、NPOや歯科医師会、行政が音楽療法士これら全てに歯科医療が関与している。口腔機能向上栄養改善(口腔ケア)運動器の機能向上介護予防の「3つの柱」