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115 2013.05 一本2000円が限界!?―国民健康保険の保険料が払えなくて被保険者資格を失効し、無保険者となっている人が増加しています。このような患者さんが来院した場合、どのように対処すべきでしょうか。安田 保険診療ができないわけですから、当然、自費診療になります。この場合、患者さんが費用を支払う余裕がないことが明確なら、保健所に相談するなどして地域の社会支援システムにアクセスさせるというのが、一応の「正解答案」だといえるでしょう。 しかし、無保険者になる人のほとんどは経済的困窮者でしょうから、自覚症状が出ても、長い間歯科受診をためらっていた可能性が濃厚です。そのため、応急処置が必要な状態になっていることも多いでしょう。 地域によりますが、無保険者が来院した場合は、保険診療の点数を10倍した金額を実費徴収するケースが多いようです。しかし、これでは患者さんの負担感がかなり重くなり、その後の受診阻害要因になります。つまり、・無保険者の患者さんには継続的な来院を期待できないということになるので、初診時に、最低限の処置を全て行う必要があるのです。―都市部の自費診療専門クリニックでは、一度にある程度の治療をまとめて行うサービスを提供している所もあります。主な対象はビジネスマンで、う蝕治療と院内CAD/CAM技工をセットにしたような治療がほとんどですが、これはもちろん高額診療に当たります。無保険者には到底、このような診療費は支払えないでしょうね。安田 そうですね。歯科診療の対価は、患者さん側の価値意識に左右されることが大きいものです。そのため、コンサルタントなどの経営セミナーで、・「歯の健康意識を高めるためのアナウンス力を鍛えよう」などと強調されるのですが、無保険者向けの自費診療を考えれば、考え方を逆にしなければなりません。すなわち、何をしなくてよいのか思考する時代へ無保険者向け低額自費の時代?