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0252013.04 歯科先進国におけるインプラント周囲炎の急速な拡大の背景には、フィクスチャーへの表面処理の影響が指摘されています。 この技術開発は、初期固定の予後の向上に大きく寄与したと評価される一方で、「マシンサーフェイス(機械的表面構造)だったころには、これほど周囲炎が進行しなかった」という臨床実感を持つ歯科医師・歯科衛生士が少なくないのも事実です。 現在、主要メーカーのほとんどのフィクスチャーに何らかの表面処理が施されており、積算埋入本数、経過観察時期ともに最も「経験値」が高いとされているのがスウェーデンです。そこで今回のツアーでは、まず、クリスチャンスタッドにある歯科専門医センター歯周病科のアン・マリー・ロース・ヤンソーケル博士から、インプラント周囲炎の現状について、左図のように教えていただきました。・ 粘膜炎=40~80%の患者、22~50%のインプラント体に発生・ 周囲炎=28~56%の患者、12~43%のインプラント体に発生? 埋入後9~14年後には、4㎜以上の周囲溝と出血が認められる症例が48%のインプラントに見られる● インプラント疾患発症率・ 2㎜以上の骨吸収・ プロービング時の出血? 最初のX線写真と比較する(骨癒合していないスレッド数の変化を確認)● インプラント周囲炎の判断基準 現在、最も効果的な方法についての技術論は確立されていない。どのような器具を用いてもよいが、天然歯と異なり、スレッドに沿って水平方向にチップを動かして清掃すること。定期的なメインテナンスによって周囲炎の発症、重症化を防げることは疫学的に証明されている。● 非外科的治療 バイオフィルム中のグラム陰性嫌気性菌(S.Aureus)が原因。インプラントは天然歯と異なりセメント質、歯周靭帯がない。また、周囲に血管、繊維芽細胞が少ない、アバットメント部に結合組織がないという構造上の限界から、粘膜炎から周囲炎に移行する可能性がある。さらに、周囲の天然歯からインプラントに歯周病原体が移動する場合もある。 補綴物中のプラークはセルフケアでは除去できないため、補綴物を外して行うプロフェッショナルケアが有効。年1回の定期的なプロービングは不可欠。非外科的治療を優先し、クロルへキシジン洗口液などの補助的使用が推奨される。● リスク要因と予防的対処ヤンソーケル博士による講義TePe社にて現状インプラント周囲炎衝撃のヤンソーケル博士と、ツアーに同行したエイチ・エムズコレクションの濵田智恵子氏。