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G072013.04知覚過敏症とは 高齢化が進み、ストレスの多い現代社会では、くさび状欠損や歯根露出に伴う知覚過敏症を訴える患者さんも増えてきました。それに伴い、知覚過敏抑制剤も多くの製品が発売されています。今月は、知覚過敏症について考察したいと思います。 象牙質知覚過敏症とは、口腔内に露出した有髄歯の象牙質に加わった物理的・化学的な刺激が、一過性の疼痛を誘発するものです。物理的な刺激には、歯ブラシによる擦過や冷温水による温度変化が考えられ、化学的な刺激には、酸性の飲料水や食物によるものがあります。 歯ブラシによるオーバーブラッシングは、ホワイトニングやタバコのヤニ取りを目的とした歯磨剤の使用や、歯ブラシの毛先の硬さ、動かし方や強さが原因と考えられます。トゥースウエアでは、クレンチングやグラインディングによる、歯頸部エナメル質やセメント質のチッピング、酸蝕症が考えられます。人為的な原因としては、過剰なPMTCやルートプレーニングの際の、インスツルメントによる歯頸部から歯根部の物理的損傷が考えられます。? 咬耗、摩耗、ブラキシズムといった咬合によるメカニカルストレス? 粗い研磨剤や不適切なブラッシング圧による摩耗? プラークコントロールの不備で細菌が産生する酸による脱灰? 酸性食品や飲料水による酸の過剰摂取? 精神的ストレスや過食症に伴う頻繁な嘔吐知覚過敏症の原因象牙質への知覚伝達の仕組み 象牙質への知覚伝達のメカニズムについては、1900年にGysiによって提唱され、1962年にBrannstromによって実験的に証明された動水力学説(液体動力学説、G09ページ図)が有力です。露出した象牙質に対する冷水による物理的な刺激が、象牙細管内の組織液の流れを変化させて疼痛が発現するというものです。 象牙質感覚の口腔生理学的な解釈は、歯髄内のAδ線維終末が動水を刺激すると、象牙細管内の高い毛細管圧が動水力学的水流を引き起こすというものです。歯質の脱灰が起こる唾液のpHエナメル質5.5以下象牙質6.0セメント質6.2 唾液中のpHの低下に伴う酸蝕症に対しては、唾液の緩衝能を上げたり、水分を補給して口腔内のpHを中性に戻すことが必要。