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特 集067 2012.10医科との手のつなぎ方(上)①抗がん剤服用者への歯科治療患者さん自身の記録が生きる 悪性リンパ腫で副腎皮質ホルモン療法と抗がん剤治療を受けていた患者さん(当時80歳:男性)は抗がん剤の副作....
特 集067 2012.10医科との手のつなぎ方(上)①抗がん剤服用者への歯科治療患者さん自身の記録が生きる 悪性リンパ腫で副腎皮質ホルモン療法と抗がん剤治療を受けていた患者さん(当時80歳:男性)は抗がん剤の副作用なのか、口渇、味覚異常、口内炎多発に悩まされていた。また、動揺著明だった7 の抜歯を依頼されたため、主治医に対診したところ「抜歯可能」とのこと(2)。 臨床病期Ⅳという状態。悪性リンパ腫のうち、非ホジキン病に分類されるものは、好発部位に口腔に近いワルダイエル輪が含まれる。そのため、歯科口腔領域にさまざまな兆候が現れることが知られており、歯科医師にとって比較的関わりの深い病気であるといえる。このケースの場合、ご本人が服薬中の薬を手書きで詳細に書いていたこともあり、主治医との連絡もスムーズだった(1)。 注意すべきなのは、当時、当院に通院中の患者さんの中に、分かっただけで4人のがん患者が存在していたこと。本人が申告しない場合も考慮すれば、がん治療中の患者さんはどの歯科医院にも通院しているものと考えるべきだろう。写真は当時74歳の男性。肝臓がんであることを本人から伝えられた際に撮影したもの。応対した歯科衛生士が「いつもと違い元気がない。舌に白っぽいものがある」と言うので、正対すると半ば眠っている。実は肝臓がんで痛み止め(モルヒネ)を飲んでいた。口腔内外の変調に目配りを怠らないことが肝要と知った症例。12