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051 2012.08特 集世界の歯科事情2012歯科を変えたパイオニアYe歯科本院が個別医院に分化 ここで取り上げるYe歯科本院は、経営形態を変え、移転しました。これは、韓国だけでなく日本の高付加価値歯科医療にも影響を....
051 2012.08特 集世界の歯科事情2012歯科を変えたパイオニアYe歯科本院が個別医院に分化 ここで取り上げるYe歯科本院は、経営形態を変え、移転しました。これは、韓国だけでなく日本の高付加価値歯科医療にも影響を与えたYeグループそのものが事業を縮小したわけではなく、共同経営で大規模医院を運営するという方法をやめ、それぞれの代表院長が個々に、専門性の高いYeブランドの歯科医院を経営する形態に変えたのです。Yeグループの経営支援会社であるメディパートナーは、今後も韓国全土にあるYeグループの歯科のサポートを行っていくことになります。われわれは、本院移転直前のタイミングで取材したのですが、すでに代表を退き矯正専門医として現場復帰を果たしたパク・インチュル氏をはじめ、スタッフ全員が明るい表情だったのが印象的でした。Ye歯科は、1992年に韓国で初めてコーディネーター制度を取り入れた歯科医院です。4人の専門医が共同経営を行うグループ・プラクティスも特徴の一つであり、それまで個々に付加価値の高い歯科医院を経営していた院長たちが、「歯科医療と患者、双方の10年後の未来を考える」ということを思い立ち、それまでの医院をリセットした上で、当時のソウルとしては大型の歯科医院(カンナムYe歯科・当時)を立ち上げたことは、韓国歯科界に大きな衝撃を与えました。Ye歯科本院は、これまで数回の移転を経験しています。まず、07年に超高級住宅地として知られるチョンダム地区で建売ビルを購入。各フロアにチーフを置く徹底したコーディネーター制の実施と、最上層の13階に本格的なワインバーを備えるなど、歯科の常識を打ち破る発想が日本の歯科医療関係者にも注目されました。 2010年には、さらに大型の17階建てビルに移転して外科、内科、産婦人科、小児科、東洋医学などとのコラボレーションによる総合アンチエイジング医療機関「メディカルリゾートビル」を企画し、メディカルツーリズムの拠点となるべく、JCIの国際規格を取得しました。しかし、その後の経緯から、大規模医院の維持は法人の目的に合わないと判断しました。その背景には、メディカルツーリズムの国際競争の激化により、かえってYeグループの最も嫌う価格競争に巻き込まれるというリスクもあったのでしょう。 現在、韓国政府は、歯科医療費の保険導入範囲の拡大を目指しています。逆説的ですが、これまで歯科に限らず韓国の医療を高付加価値化させてきたのは、OECD諸国の中で最も貧弱なレベルの給付しかしない保険制度だったとされています。保険適用の拡大は、国民福祉の観点からは恩恵的政策と見なされますが、医療提供者側からすれば、自分たちの仕事の付加価値を下げるものと考えられているのです。すでにHRF、FDが保険韓国は価格面で厳しい立場にあり、競争に巻き込まれると質の維持が難しいという問題を抱えている。メディカルツーリズムの診療費比較タイ政府観光庁資料よりアメリカ2,000 ~ 10,000ドルメキシコ1,000ドルコスタリカ1,100ドルインド1,000ドルタイ1,000ドル韓国2,000ドル(インプラント・2009年)