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2012.08 076編集部R epor t かつては、日本の医療制度は世界で最もコストパフォーマンスが高いと評価されてきましたが、近年、大きなゆがみが指摘されるようになってきました。病院医療では、医師不足の一方で過剰....
2012.08 076編集部R epor t かつては、日本の医療制度は世界で最もコストパフォーマンスが高いと評価されてきましたが、近年、大きなゆがみが指摘されるようになってきました。病院医療では、医師不足の一方で過剰な病床数や高額検査機器を抱えており、医科診療所では保険点数改定のたびに収益性に極度な差が出るため、長期的な経営モデルを打ち立てにくくなっています。歯科では、いわゆる「歯科医師余り」と、国際的に類例のない一日当たりのアポイント数の多さなどが挙げられます。 その背景に何があるのか、今後の日本の医療のリスク因子は何かを、最近の海外情報を基に探ってみました。海・日本の医療システムはなぜ疲弊したのか?日本の医療システムの問題1970年代から指摘されていた! 「公的医療保険制度の下では十分な仕事ができない」という言葉。特に都市部の歯科医師がよく口にしますが、実際には、日本の歯科医師は保険システムに対して、かなり以前から不信感や不満を抱いていました。『日本歯科新聞』1978年5月11日号には、当時の歯科診療報酬外雑記(編集部)帳保険採用国一般料金採用国日本(1976)スウェーデン(1974)オーストラリア(1974)アメリカ(1973)初診900 3,700 2,600 1,500緊急処置160 ― 800 3,000歯内療法2,000 28,800 33,800 38,700抜歯1,100 4,210 ― 11,500鋳造冠4,920 32,000 43,000 32,000総義歯10,480 39,200 41,500 62,900局部義歯6,970 53,600 29,000 55,400歯科診療報酬の国際比較をアメリカ、スウェーデン、オーストラリア、アメリカで比較した図が掲載されています(図表1)。 これを見ると、圧倒的に日本の診療単価が低く抑えられていることが分かります。そして、1面にある連載コラムのタイトルは「限界にきた〝医療保険制度?」。医療技術の発展と、財源に縛りのある医療保険制度は矛盾することを指摘しています。 図表1に挙げられている国の医療制度単位:円図表1・海外歯科技工物、国際脱法通販の実態は?・イギリスで歯科受診傾向が二極化?