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029 2012.06咬合採得の定義 インレー、クラウン、部分床義歯、総義歯と、どんな補綴物を作製するにも、咬合採得という過程を欠かすことはできません。咬合採得の良否は、補綴物が機能するか、患者さんに満足してい....

029 2012.06咬合採得の定義 インレー、クラウン、部分床義歯、総義歯と、どんな補綴物を作製するにも、咬合採得という過程を欠かすことはできません。咬合採得の良否は、補綴物が機能するか、患者さんに満足していただけるものになるかという、臨床におけるゴールを決める最も重要な過程といっても過言ではありません。今回は、普段何げなく行っている咬合採得を一考していただく機会になればと思います。 咬合採得とは、「患者がもつ固有の上連載でお伝えしたように、石膏の混水比を守り、印象材も必ず計量することにより、製作時のエラーは避けられます。では、咬合採得の材料の取り扱いに関してはどうでしょうか。使用する材料 咬合採得に使用する材料は、口腔内での流動性が高く、硬化時間が短く、撤去後に変形が少ないものが望ましいと考えられます。ワックス、常温重合レジン、シリコン印象材、石膏などがありますが、取り扱いが最も容易なのはシリコン印象材でしょう。 最も信用できる咬合採得は、ミキシングガンを用いてのシリコン印象材によるものと考えられます。等量に計測でき、確実な練和が可能なのは、シリコン印象材だけといってもよいでしょう。しかし、日常臨床で多用するにはコストがかかりすぎるため、パラフィンワックスを用いることも多いと思います。 シリコン印象材よりも安価とはいえ、特性を熟知して使用すれば、パラフィンワックスも大変素晴らしい材料です。その場合は、変形に対してどのような対策『バイトワックス』睦化学工業㈱スリット入りの厚さが1.8㎜なのに対して、スリットなしのものは2.2㎜と厚くなる。介在する材料が薄いほど咬合採得のエラーは少なくなるため、スリット入りのものを使用している。下顎の位置的関係を、水平的ならびに垂直的に記録する方法」(『咬合学事典』クインテッセンス出版)「補綴装置の製作や咬合診断などにおいて、上下顎の歯列模型、あるいは顎堤模型をそれぞれの目的に応じた顎位で咬合器に装着するために、種々の材料や機器を用いて上下顎の顎間関係を記録すること」(『歯科補綴学専門用語集』医歯薬出版)と定義されています。 一般的な咬合採得は、石膏模型と咬合印象採得材料を組み合わせることで行われます。石膏模型に関しては、今までの技工用のパラフィンワックスは融点が高く、硬化時の収縮も大きいため、咬合採得には適さない。