アポロニア21 2012年1月号 page 11/14
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061 2012.02特 集口腔内・二極化時代への対応派遣村で…多数歯欠損を抱えている貧困者たち 全日本民主医療機関連合会(民医連)歯科部が2009年にまとめたレポート「口から見える格差と貧困?歯科酷こく書しょ?」....
061 2012.02特 集口腔内・二極化時代への対応派遣村で…多数歯欠損を抱えている貧困者たち 全日本民主医療機関連合会(民医連)歯科部が2009年にまとめたレポート「口から見える格差と貧困?歯科酷こく書しょ?」は、医療関係者のみならず、幅広い関係者の注目を集めました。すでに北欧など「歯科先進国」と呼ばれる国では顕著な現象となっていますが、歯科疾患が特定の人々に集中し、かえって重症化する兆しが見えていることが明らかになったのです。 これまでにまとめられた統計的資料と、「歯科酷書」との大きな違いは、事例ごとに個人の生活背景にまで踏み込んだ考察を加えた点にあります。それによると、若くして多数歯欠損となった人々に共通して、「定職がない」「労働環境が苛酷」「経済的に困窮している」などの問題を抱えていることが分かります。 私自身も、国会議員になる前に、派遣村での活動でホームレスの人々とコミュニケーションを取る機会が多かったのですが、医療機関へのアクセス、特に歯科を受診できないことに悩んでいる人が大勢いました。「歯が痛くてたまらないが、歯科医院に行くことができない」と言うのです。歯科医療関係者でない私でも、前歯が何本も抜けているような状態を見れば、「この人は必要最低限な歯科医療も受けられないでいるのだ」と分かります。 ホームレスだけでなく、派遣切りに遭って所得が得られなくなってしまった人々や、低賃金のハードワークをこなしている人々の間でも、歯科受診への道が「口から見える格差と貧困~歯科酷書~」 民医連が2009年にまとめたもので、全文のPDFがWeb上で公開されている。重症の歯科疾患を抱えた人々の生活背景を問診・聴取し、歯科疾患が特定の社会階層に集中しているのが社会的な問題であることを明確に示した。http://www.min-iren.gr.jp/shika/date/2009/091209_01.pdf