ap1201 page 8/18
このページは ap1201 の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。
概要:
0602012.01nterviewI 私は1944(昭和19)年に母校である現東邦大学医学部の生化学教室に入局後、一貫して唾液について研究し、唾液を検体とする非侵襲的な臨床検査の可能性を探ってきました。すでに、唾液に含まれ....
0602012.01nterviewI 私は1944(昭和19)年に母校である現東邦大学医学部の生化学教室に入局後、一貫して唾液について研究し、唾液を検体とする非侵襲的な臨床検査の可能性を探ってきました。すでに、唾液に含まれるさまざまな成分の変化から特定の病気を診断することができるまでになってきました。さらに、現在、唾液の酸化還元電位を測定することにより健康状態を検査する技術が、当院を含めさまざまな医療機関において臨床応用されています(1万例以上の検査結果がある)。この検査は非侵襲的ですから、歯科医院においても簡単に患者さんの健康状態を把握することができるのです。酸化還元反応生体の「近未来像」が見えてくる 唾液は、長らく医師にとって有効な検体として考えられてきませんでした。あまりにも身近にありすぎたためかもしれませんが、唾液は血液や尿と同様に、生体の健康状態を反映しているのです。すでに、唾液中の各成分の変化が特定の疾患と関連していることが知られています(表1)。 しかし、唾液が検体として優れているのは、血液検査と異なり非侵襲的な検査が可能であるだけでなく、心身の状態を一定に維持するために繰り返されている酸化還元反応(表2)を的確に評価できる点にあります。酸化傾向が強ければそれだけ心身の健康状態が障害されていることを示し、逆に還元傾向が優位であれば健康に向かう傾向にあると判断できます(表3)。 この酸化還元は、例えばお茶を飲むなどのきっかけで瞬時に変化します。尿検査が生体の過去に関わる状態を判別するために行われるのに対して、唾液の酸化●「未病」状態を把握●健康の促進・障害因子を個別的に判別●身体の「近未来像」を予測神奈川県開業・小児科医師岡澤美江子氏健康傾向が分かる戦中より唾液を研究し続けてきた医師が語る唾液の酸O R P 化還元電位で