デンタルダイヤモンド 2025年6月号
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図❶ キャストパターンをミリングマシンでミリング図❹ デザインソフトでフレーム設計図❷ キャストパターンを3Dプリンターで造形図❺ 金属積層造形機図❸ キャスト後図❻ 金属積層造形後33に応えてくれているシステムである。従来のアナログの手法をそのままIOSに置き換えることで、補綴物作製に要する納期とチェアーサイドにおける処置時間を圧倒的に短縮できる。また、スタッフの負担軽減や材料費の削減も実現できるため、タイムパフォーマンスとコストパフォーマンスの両方を兼ね備えている。こうした利点は、患者の利益を最大限に高めることにも繫がる。 義歯治療においてDXの確固たるシステムが確立されているのは、1.維持装置作製、2.コピーデンチャー作製、3.コンプリートデンチャー作製の3つである。1.維持装置作製 クラスプや金属床など維持装置の作製は、比較的早い段階でDXが進んだ。従来、金属床を作製する場合は、複印象→耐火模型作製→ワックスアップ→埋没→鋳造→調整・研磨という多くの工程と、煩雑な作業、長い待ち時間が発生していた。 その問題を解決したのが、ミリングマシンもしくは3Dプリンターによるキャストパターン作製法である(図1〜3)。この方法では、模型スキャン→デザインソフトでフレームデザイン(図4)→ミリングマシンもしくは3Dプリンターを用いてキャストパターン作製→埋没→鋳造→調整・研磨という流れになる。耐火模型を作製する手間が省けることに加え、従来法と異なり一度でキャストパターンを造形できるので、生産性が向上する。 また、近年では鋳造すら行わないレーザーシンタリングによる金属積層造形法が確立されつつある(図5〜7)。これは、パウダー状の金属をレーザー放射することで積層し、 現段階の義歯治療のDX

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