舌舌16DHstyle2025SPRING▪歯列は、舌・口唇・頬などの口腔周囲筋からつねに圧力を受けている▪歯列・咬合が長期にわたって保たれるには、これらの口腔周囲筋からの圧力の均衡が保たれている必要がある図❶ 舌圧と口唇圧のバランス(参考文献1)より引用改変)頰筋口唇 口腔筋機能療法(Myofunctional Therapy:MFT)とは、「歯列をとりまく口腔周囲筋の機能を改善する訓練法」と定義づけられ1)、舌突出癖や異常嚥下癖などの筋圧の不均衡に起因する問題(不正咬合)の改善や発現の予防、歯列の正常な形態を維持するための環境づくり(矯正歯科治療後では保定時の咬合の安定性を図ること)を目的とし、とくに矯正歯科治療の妨げとなる、おもに舌癖などの口腔機能の問題への対処法として発展してきました。 歯列は、舌・口唇・頬などの口腔周囲筋からつねに圧力を受けています。歯列・咬合が長期にわたって保たれるには、これらの口腔周囲筋からの圧力の均衡が保たれている必要があります(図1)。一方、歯列に及ぶ口腔周囲筋の圧力のバランスが崩れると、不正咬合などの問題を生じます(図2)。例として巨舌症と小舌症を提示します(図3、4)。このように、口腔機能と歯列・咬合形態には密接な関係があります。したがって、形態(不正咬合)を改善する方法はあくまで歯科矯正治療ですが、口腔機能障害がある場合には、MFTは必須なのです。また、骨(骨格)と筋肉の力関係は、筋肉のほうが優位であり(図5)、口腔周囲筋はなぜMFTを行うのか?歯科衛生士が知っておきたいMFTの“いま”
元のページ ../index.html#8