DHstyle 2025年春号
12/19

44 DHstyle 2025 SPRING 一般的に歯科診療を行う場合、必ず“検査”が必要になります。「情報収集のための検査を行い、それをもとに評価を行い、治療計画を立てる」。これは、MFTも例外ではありません。MFTを行う場合も、まず最初に検査=診査を行います。 当院では、口腔内写真、顔貌写真、パノラマX線写真、セファログラム(側面頭部規格X線写真、正面頭部規格X線写真)、口腔内模型採得、そして動画(以下、VTR)を撮影します。VTR以外は、矯正歯科治療のために採得する資料を利用し、MFTの診査としてVTRによる情報収集を行います。 「口腔内の情報収集は口腔内写真で十分では?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、MFTでは口腔周囲筋および顔面の動きを評価することがたいへん重要であるため、静止画ではなく動画が必要になります。VTR診査では、咀嚼・嚥下・発話といった機能時の動きとともに、口腔周囲筋の動き、姿勢などについて評価を行います。 まず最初にMFTが必要な患者さんには、歯科医師からその必要性をしっかり説明してもらい、同意を得たところで、担当歯科衛生士から「どのようなことをするのか」、「それには何が必要なのか」を説明し、撮影内容の説明およびVTR診査当日の持ちものについてお話しします。当院ではアレルギーなどの観点から、当日の飲食物を持参してもらっています。それを口頭だけではなく、お帰りの際に受付で持参していただくものを記入したメモをお渡ししています。1)当日持参していただくもの⿟ミネラルウォーター(図1a)⿟リンゴなどの果物:嚙まなければならないが、水分が多く飲み込みやすいもの(図1b) 果物全般にアレルギーが認められる場合、上記の条件に当てはまる食物でもよいです(きゅうりなど)。MFTの実施には診査が欠かせないMFTの実施には診査が欠かせない寺田典絵東京都・銀座並木通り さゆみ矯正歯科デンタルクリニック81 歯科衛生士事前準備MFTの診査と評価

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る