DHstyle 2025年春号
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【MFTのタイミング】 表❶ 当院のオリジナルトリートメントフロー口腔内写真撮影(7カット+α)舌・頬粘膜など/閉口時横顔デンタルX線写真14枚法+Bite wing/唾液検査など歯周一般検査(保険算定)/ダイアグノデント ペン矯正歯科治療用資料採得口腔内スキャン(第2期治療のみ)唾液検査結果・矯正歯科治療方針装置の装着準備・装置の装着など初診相談検査1検査2診断治療開始特集 いまこそ正しく学びたい! 歯科医院で取り組むMFTスタートガイド 23検査1〜治療前・中・後のどのステージでも、MFTが必要なタイミングを歯科医師が決定し、VTR撮影による診断を行い、開始する下症が保険導入されたことからも、歯科医師の診断が必要であることが窺えます。 矯正歯科治療専門で開業した当院では、治療を進めるにあたって、まず歯科医師は、MFT・体癖・姿勢・呼吸・運動・食事などの指導が「なぜ必要で」、「どこを、どうやって、何を治すために、指導したいのか」を明確にします。そして、これらを実施した結果、患者さんに利益をもたらすことができるかを判断し、検査や診査・診断を行っていく必要があります。 言い換えれば、矯正歯科治療中やその前後で、口腔機能改善に有益となるプログラムに則り、患者さんへは“MFTの押しつけ”にならないように細心の注意を払いながら指導を行うことは、QOL(生活の質の向上)をもたらし、歯科医師による歯科治療の結果もよくなり、両者にとって大きな有益となるでしょう。1.初診相談時の情報収集 今回は、矯正歯科治療開始までの当院のオリジナルトリートメントフロー(表1)を紹介しながら、矯正歯科治療中にMFTを必要とする患者さんに対し、歯科医師と歯科衛生士が連携して指導する方法をお伝えします。 初診相談時から矯正歯科治療開始までに口腔ケアやう蝕治療・歯周基本治療は終了させておくため、最低でも5回は通院してもらいます。この間の会話や口腔習癖、姿勢などの多くが、重要な口腔機能の情報源となります。初診相談時に撮影する口腔内写真による口腔内の状況把握に加え、対面問診でも情報収集を行うことができます。対面問診は基本的に歯科医師が行いますが、時間的な制約により、歯科衛生士が先に医療面接を行う場合もあり、これもとても貴重な時間となります(図1)。2.検査1 口腔が健全でなければ矯正歯科治療は開始できませんので、検査1では、おも診療の流れに合わせた情報収集のポイント

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