図❶ 2004年〜現在までのわが国におけるGoogleトレンドの検索結果。数値はグラフ上の最高値を100とした場合の相対値(青:ホワイトニング、赤:インプラント、黄:歯列矯正)100755025平均2004/01/012011/03/012018/05/0156 はじめに わが国におけるホワイトニングは、1998年のオフィスホワイトニング材および2001年のホームホワイトニング材の発売を皮切りとして25年以上にわたり臨床応用されてきた。この間、多くの歯科医療機関が国民の“輝く白い歯に対する憧れ”に応えるべく、過酸化尿素あるいは過酸化水素を含有したホワイトニング材を日常臨床に導入することで、その確実な漂白効果や安全性に関するエビデンスが蓄積されてきたわけである。 昨今、これらのホワイトニング効果と安全性には疑う余地がないことから、歯科医師あるいは歯科医師の指導のもとで歯科衛生士が、過酸化物からなる医療機器製品を用いて患者の歯の色調を改善する“医療ホワイトニング”として認知され、その治療体系は確固たる地位を築いている。 最近においては、ホワイトニングへのニーズは留まることを知らず、若年者のみならず中高年や高齢者を含めた幅広い世代から求められており、Googleトレンドを用いて歯科治療のワードを検索した際にもホワイトニングはつねに上位に位置づけられ、その注目度も年々高まっているのがわかる(図1)。もちろん、ホワイトニング材の年間販売実績も直近5年で1.5倍となるだけではなく毎年上昇しており、今後もマーケットの拡大が予測されている(表1)。 2022年に実施された18〜69歳の男女10,000人を対象としたWebアンケート結果では、歯のホワイトニングに興味がある方の割合は68%であったと報告されている(図2)。また、2022年と2024年に実施された同様のアンケートでは、歯のホワイトニングを知っていると回答したにもかかわらず、医療ホワイトニングを経験したことのある方の割合は12.6%および14.3%と、最近においても低調な水準であったこともあきらかとなっている(図3)。 これらの結果は、医療ホワイトニングの有する計り知れない潜在的需要を示すものであり、歯科医療従事者がその需要を深掘りしきれておらず、患者のニーズを十分満たしきれていないことを意味するものである。この患者のニーズには、自身が自覚している顕在ニーズと自覚していない潜在ニーズを含むものであり、仮にWebアンケートで報告された歯のホワイトニングに興味のある方のうち半数がホワイトニングを実施することとなれば、
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