122 Case Report 材を用いることで熱を加えて拡大可能な点である.これにより,舌圧(内側)と頬・口唇圧(外側)のバクシネーターメカニズムが働き,歯列全体の拡大を促す(図2).総義歯理論との接点 総義歯学には「歯槽頂間線法則」と並び,ニュートラルゾーン(筋圧中立帯)の概念がある(図3).義歯歯列を筋圧中立帯に配置すると,装置は筋機能に干渉せず安定する.この概念はフレンケル装置のシールド形態と酷似し,筆者は総義歯の頬側フランジ形態を参考に,プレオルソ側方バンパーを設計した(図4).臨床プロトコル対象年齢:混合歯列期(概ね6~10歳)装着法:就寝時+覚醒時1時間を基本とし,日中は口腔周囲筋機能訓練(以下MFT)を併用する.期待効果:歯列配列・咬合育成だけでなく,舌挙上・鼻呼吸誘導・嚥下パターン改善など多面的機能改善が得られる.MFT併用による開咬後戻り抑制効果や長期安定性は複数研究で報告されている.ペアレント・トレーニングの重要性 可撤式装置は使用時間=効果である.とりわけ小児では動機づけが低く,保護者の支援が成否を分ける.筆者はすべての患者さんにペアレント・トレーニング(以下PT)を導入し,次の4原則を徹底している. 4原則の実践例として① 褒める:「装置を口に入れただけで合格!」と即時肯定図2a,b バクシネーターメカニズム(aは参考文献1,bは参考文献2より流用).図3 歯槽頂間線法則とニュートラルゾーン(筋圧中立帯).図4 ニュートラルゾーン(筋圧中立帯)に合わせたプレオルソの形態.歯槽頂間線法則ニュートラルゾーン(筋圧中立帯)反対咬合上顎前突強い強い弱い弱い上咽頭収縮筋口輪筋頬筋ba株式会社フォレスト・ワン
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