1 松本歯科大学大学院硬組織疾患制御再建学講座2 松本歯科大学歯学部歯科矯正学講座3 松本歯科大学歯学部理工学講座1 ~ 3 連絡先:〒399-0781 長野県塩尻市広丘郷原1780Norimasa OkafujiYukiko YokoiReview岡藤範正 1 ,2横井由紀子 1 , 3機能的マウスピース矯正装置とは何か14 Review (おかふじ・のりまさ) (よこい・ゆきこ)筋の機能力が矯正装置を介して矯正力として利用できるような対向関係)という特殊な下顎位で製作されるる(頬筋,下口唇,オトガイ筋などの異常機能圧を排除するとともに,側方への成長発育,歯列弓拡大を助ける)2 ,5 .このようにヨーロッパを発信源とした機能 機能的マウスピース矯正装置(以下本文のみ,機能た機能的矯正装置の特性を組み込んだ既製の装置の総称である 1 . 機能的矯正装置とは,口腔周囲筋の機能力に依存する矯正装置の総称で,機能力を用いたり口腔周囲の機能環境を変えたりすることで顎の成長をコントロールする装置で,主に成長発育期の患者に用いる.多くは可撤式であり,筋の機能力を歯の移動や顎の新しい位置へ誘導する力に変換する 2 . 最初の機能的矯正装置といえるのは,1936年にノルウェーのAndresenとHäuplによってモノブロックのレジン床に誘導線となる太い歯科矯正用ワイヤーを接着した可撤式装置として発表されたアクチバトールである.下顎劣成長をともなう成長期上顎前突患者の下顎骨を正常咬合に近い前方位へ移動させ,かつ機能させることによって,下顎骨の成長が促進されてⅡ級不正咬合が改善されるとのコンセプトで的マウスピースと略す)とは,従来から用いられてい製作された 3 . わが国においては機能性下顎前突の治療に用いられて発展し,筋の機能力を最大限に利用できるように構成咬合位(下顎運動に関与する筋や口腔周囲ようになった 4 .次いでBaltersによって考案されたバイオネーターは,口蓋部のレジンを取り除いた形状の縮小型アクチバトールのようなもので,成長期の上顎前突に加え叢生や空隙歯列にも適応が広がった 3 .さらにFränkelが考案したファンクショナルレギュレーターは,頬筋,オトガイ筋,口輪筋などの異常な筋圧を排除し,機能低下した筋の活性化を行うことによって機能的な適応を図るための装置であ的矯正装置は,上顎前突の治療に効果を発揮するものが多い. 一方,わが国における機能的矯正装置の端緒は,Review子どもの健やかな口腔機能向上を目指して─機能的マウスピース矯正装置の役割
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