歯周炎ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲ診療ガイドライン
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CHAPTER 04 歯周外科治療105図4-19e 初診時の歯周組織検査表.BOPは19%,PCRは18%であった(ピンク色部分はBOP+).広汎型慢性歯周炎ステージⅢグレードBと診断し,歯周基本治療ならびに₈₈の抜歯を行った.M00000110000000FPPD333233223212225524423323323223222322322423443345323323223333223323323223323322323323F8765432112345678FⅡPPD333355434224523522322222322323323322733523633323323323423623422212212312322322623523FⅠM00000001000000の亢進の改善を認めた文献が多くある4. Nibaliら2によるシステマティックレビューでは,骨縁下欠損に対する歯周組織再生療法はOFD単独と比較して1.34mmのクリニカルアタッチメントレベルの増加と,1.20mmのPPDの減少があったと報告している.この差は,歯を喪失するリスクを減らす可能性があり,使用する材料やフラップデザインによって結果は異なるが,骨縁下欠損の治療において歯周組織再生療法が優位であることを示唆している.2)歯周組織再生療法による長期的な歯の保存の可能性とそれにともなう費用 Cortelliniら5は,深い骨縁下欠損があり,根尖まで付着が喪失した“hopeless”と考えられる歯に歯周組織再生療法を行い,10年後にクリニカルアタッチメントレベルが平均7.3mm増加した臨床経過を報告している.結果は,歯周組織再生療法が歯の予後を変える可能性を示している. また,定期的なSPCによって歯周病の進行を長期的に抑えられ,歯を喪失するリスクが減少する6.これらにより,歯が長く保存されることで患者のQOL向上にも有用であると考えられる. OFDと比較すると,歯周組織再生療法は材料等の使用によって多くのコストが発生するとされるが,前述で提示したCortelliniらの論文6では,歯の喪失後に必要な補綴治療やインプラント治療よりも安価であると述べている.EFPガイドラインに基づき,骨縁下欠損および深い残存ポケットに対する歯周組織再生療法のフローチャートを提示する(図4-23).図4-20 歯周基本治療後2年1か月の再評価時の₆デンタルエックス線写真.近心の歯槽硬線は明瞭化しているが,依然として深い骨縁下欠損を認めるため,歯周外科の必要性を患者に説明した.図4-21a~c ₆近心の2~3壁性骨欠損に対し,根面のデブライドメント後,リグロス(科研製薬),サイトランスグラニュール(ジーシー)を用いて歯周組織再生療法を行った.図20図21a図21b図21c

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