PART 1 任せきる天才指示待ちスタッフのリセット法 ―スタッフ・組織が成長する仕組みの作り方―8「スタッフがもっと思いどおりに動いてくれたらなぁ……」「なんで自分にばっかり仕事が集中するんだろう ?」「何回同じことを言ったら覚えてくれるんだ……」 こういった悩み、院長なら一度は感じたことがあるのではないでしょうか。歯科医として腕に自信がついたら、自分の医院を持ってみたいと考えるのは自然なことです。でも、いざ開業してみると、診療以外の雑務に追われて、スタッフ育成にまで手が回らない。結局、自分の経験を基に「これが正しいんだ」と信じて、その場しのぎで教えるしかない。その結果、昔ながらの「見て覚えろ」式の育成が中心になりがちです。それに馴染めないスタッフは疎外されてしまい、最終的には指示待ち人間になるか、辞めてしまうことも少なくありません。 さらに、新しいスタッフを募集しても、簡単にはいい人が見つからない。そうなると、院長である自分に仕事がどんどんのしかかってきて、「結局全部自分でやらなきゃいけないじゃん !」という状況に追い込まれてしまいます。 わかります、その気持ち。ボクも同じでしたから。開業した当初は、何がなんだかわからないまま手探りで始めていました。基本的なことも知らない状態で始めたけど、ありがたいことに患者さんが来てくれる。その喜びに浸っていたのもつかの間、次々に押し寄せる雑務に振り回される毎日。「見て覚えろ」「一度で覚えろ」なんて言いながら、周りにいるのは指示待ちスタッフばかり。そして気づけば、開業時の情熱や喜びはどこかに埋もれてしまいます。 でも、大丈夫。心配しないでください。この本では、そんな悩みから抜け出すための方法をお伝えします。スタッフ育成にはある程度ルールがあります。ルールを知ると知らないのでは大きな違いがあります。赤信号は止まる。青信号は進む。ルールがあるから事故が少なくて済みます。もちろん絶対的なルールではありませんし、全員が結果を出せるわけでもないと思います。しかし、本書の内容を基に先生の医院のルールや仕組みを決めていただければ、スタッフ育成の際のトラブルもある程度未然に防げるのではないかと思います。01 たくさんの院長が育て方で悩んでいる
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