チェアサイドで見る臨床口腔解剖学
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AB中央狭窄部前方肥厚部下顎頭下関節腔中央狭窄部線維軟骨で覆われた下顎頭関節円板下顎頭外側極図 3   関 節 円 板 は 前 方 か ら「前 方 肥 厚部」,「中央狭窄部」,「後方肥厚部」となり,後部結合組織へ続く.外側翼突筋の一部は関節円板前方へ付着する.後方肥厚部上関節腔関節円板後部結合組織図 1  A:閉口時,B:開口途中.開口時,下顎頭は下顎窩前面の斜面を前下内方へ移動する.この下顎窩前面と下顎頭との関節面に,もっとも強靭な関節円板中央狭窄部が位置する.すなわち,顎運動中の下顎頭から受ける下顎窩前方の隆起(関節隆起・関節結節)への負荷は,両者の間に存在する関節円板中央狭窄部によって緩衝される.後方肥厚部下関節腔下顎窩内側極外側翼突筋図 2  前顎断面像で顎関節部を観察した,関節円板は下顎頭の外側極および内側極を越え,下顎頭全体を包み込む構造を呈している.前方肥厚部外側翼突筋翼突筋窩 関節円板は,下顎窩と下顎頭の間に存在する線惟性の組織であり,関節腔を上関節腔と下関節腔に分けている.関節円板は中央部分がもっとも薄く強靭で(中央狭窄部),この中央狭窄部の前後は肥厚している(前方肥厚部,後方肥厚部).この関節円板が下顎頭から下顎窩に伝わる機械的負荷,すなわち骨と82チェックポイント31下顎頭に連動する関節円板(右側)割断した関節円板(右側)顎関節の前顎断面像(右側)関節円板・関節包

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