11第1章 セファログラムの撮影とトレース·左右の外耳にイヤーロッドが入ったら、イヤーロッド·イヤーロッドを外耳に入れ固定した後、目視で FHの上縁が外耳道の上縁に接するように微調整する平面と床が平行になるよう患者の頭位を両手で調整する◦被写体にブレがない(撮影中に動かない)·適切な階調度と明るさをもつこと(管電圧はコントラスト、管電流と照射時間は濃度に影響する。デジタルであれば調整は自由と思われるかもしれないが、撮影後の調整が少ないほどよい影像が得られる)·側貌などを映す軟組織部分と硬組織部分では条件がかなり異なるため、軟組織部分にはコリメータと呼ばれるフィルタをあらかじめかけておくこともある· FH 平面と床が平行になるよう頭位を定める。鉛直を示すライン(おもりをつけた針金など)を読影の邪魔にならない部分に写し込み基準とすることも検討する·診断には舌位も重要である。安静位の舌位をあらかじめ患者に確認させ、撮影時に再現するようにする(第 6 章103ページ)·撮影中に嚥下をしないよう、一度嚥下させた直後に安静にさせたうえで撮影する·口唇を閉じて撮るのか、安静位にして撮るのかを目的に応じてあらかじめ決めておく·頭部と体幹がまっすぐになるようにする·患者にセファロ撮影装置内で直立してもらい、そのまま自然にイヤーロッドが外耳道に入るよう(頭部と体幹との関係を崩さないよう)にしながらすり足でイヤーロッドの位置へ誘導する 通常は条件(適切な頭位・頭部の角度、口唇閉鎖、咬頭嵌合位)をそろえたセファログラムを 1 枚、また前述のように外科的矯正治療の計画立案のための資料など必要に応じて咬合位や口唇状態を指示して撮影したセファログラムを加え、分析資料とする。 またセファロトレースのためには、鮮明な画像を撮影しなければならない。そうしなければ、正しい計測点を取ることや、骨・軟組織外形を描くことが困難となる。被写体のブレを極力なくし、年齢・体の大きさに応じた放射線量を設定するなどして鮮明な画像を記録するようにしたい(図 7 )。矯正歯科治療に有用なセファログラムの条件適切なセファログラムを写すには矯正歯科治療のために有用なセファログラムの条件
元のページ ../index.html#2