咬合の臨床応用
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歯科医師は,既存の咬合が喪失している場合や,既存の咬合を変更す執筆協力:Daniel Radu,DMD翻訳:和田淳一郎75図8-1 構成された咬合のための咬合採得のマインドマップ.1. インプラントを使用しない完全無歯顎症例5. 治療計画に基づく咬合関係の変更2. 片顎もしくは上下顎のすべての歯の支台歯形成が必要な症例新しい咬合のための咬合採得3. 無 歯 顎 イ ン プ ラント症例4. オクルーザルデバイスによる顎間関係の変更ることを決定した場合であっても,咬合採得の記録を歯科技工所に提供する必要がある.以下に示すような臨床的シチュエーションがこれに該当する(図8-1).• インプラントの有無にかかわらず,完全な無歯顎の場合.• 上下顎の片顎あるいは両方のすべての歯を削合する場合.• 治療目的で咬合高径を変更する場合.• 下顎位を機能的に変更する場合.これがいわゆる“問題ありの咬合”であり,考えるべき咬合の公式は“O(咬合)= IC(咬頭嵌合)+ CP(下顎頭位)+ ARP(前方基準点)”である.これらすべてのシナリオにおいて,われわれは咬頭嵌合を再構成するための下顎位を選択する必要がある.そして,その下顎位を記録し,新しい咬合関係,すなわち再構成された咬合関係で機能する補綴装置を製作するために,その記録を歯科技工所に送る必要がある1.新たな咬合関係を付与するための咬合採得法8章

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