インプラント周囲組織の形態は、歯周組織とは大きく異なる。インプラント周囲線維の環状および平行な走行、そしてヘミデスモソームの弱い付着は、臨床診断において特に重要とされる。これらの特徴から多くの臨床医は、インプラント周囲の状態を評価するためのポケット深さの信頼性が欠如していると考えている。加えて、インプラント周囲の軟組織バリアの破壊が炎症を誘発し、骨吸収を引き起こす可能性があると推測される。炎症の臨床指標として、たとえばプロービング後の出血や化膿などが挙げられるが、これらについても議論が続いている。また、インプラントの位置、補綴デザイン、プロービング圧などの固有要素が診断の正確性を変える可能性があることも考慮に入れる必要がある。したがって、本章の目的は、インプラント周囲の状態をモニタリングするための主要な診断の指標に関する既存の知見を整理し、明確にすることである。DIAGNOSIS AND MONITORING OF PERI-IMPLANT CONDITIONS訳:石井佑典2 章の要旨Alberto Monje/ Giovanni E. Salviインプラント周囲組織の診断とモニタリングCHAPTER 2
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